マルク・ブロックの講演記録が前半(1920年代の講演らしい)。後半は訳者による解説で、前半の講演内容を改めて分かりやすく整理して解説してくれている。歴史の本というよりかは、歴史学の本。もっと言ってしまえば、「比較」とは何か、歴史において「比較する」とはどういうことかといった定義や方法論が延々と続く。よって哲学の本でも読んでいるかのような面倒くささがあった。登場する歴史の具体例も、ヨーロッパ史における制度の比較例の列挙であってその内容の説明はほぼない。方法論の展開はおもしろいけれども、歴史の書物として期待して読むとおそろしく抽象的で難解な内容に面食らう。
■ 比較史の方法(講談社学術文庫)[マルク・ブロック/高橋 清徳]
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