本のない図書館ー口誦伝承とソングライン/アレクサンドリア最後の日々-古代の書物とその保管/完璧を追求してーコデックスの台頭/「忌まわしい者たちの掃き溜め」-ルネサンスの再発見/誰もが自由にー大量の書物があふれかえる印刷時代/「蛮族さえしなかったこと」-ヴァチカン図書館/図書館に秘められたものの歴史ー図書館設計の妙技と秘宝/本の管理者ー史上最高の司書と最悪の司書/放蕩の真髄ーヒーバー、バイロン、バリー/火神ウルカヌスへの憤怒ー火事と戦争で破壊された図書館/伯爵ー書物の略奪者と本泥棒/「図書館の内装はささやくように」-ピアポント・モルガン図書館/栄光のためにーフォルジャー・シェイクスピア図書館/修道士殺しー架空の図書館/ラブレターー未来の図書館
図書館にまつわるエピソードの数々を紹介してくれる。歴史から建物、書物から印刷術、司書からコレクターや作家。図書館を軸としてそれにまつわる興味深いものから面白おかしいものまでさまざまな話題が提供される。図書館とは単なる書物を格納し開陳する建物というだけでなく、人類の歴史や生き様の一側面を反映してきたものなのだなぁ。図書館や書物に対する愛に溢れた一冊。
高所の図書のために梯子が使われだしたのはここ最近のことでそれ以降司書の転落事故が激増した話、多くのコレクターが偽物をつかまされている話、貴重な蔵書をそうとは知らずに売っぱらってしまった図書館の話。ウンベルト・エーコ(「薔薇の名前」著者)と対照的なトールキン(「ホビットの冒険」「指輪物語」著者)の出版に至るまでの紆余曲折エピソード。現代の図書館の役割、デジタル化とインターネット時代のこれからの図書館にまで思いを馳せる。
■ 図書館巡礼[スチュアート・ケルズ/小松 佳代子]
■ 図書館巡礼 「限りなき知の館」への招待[スチュアート ケルズ]【電子書籍】