読了:実践 日本人の英語(岩波新書 新赤版1420)[マーク・ピーターセン]

実践 日本人の英語

実践 日本人の英語

  • 作者:マーク・ピーターセン
  • 出版社:岩波書店
  • 発売日: 2013年04月19日頃

「春休みに、友人と一緒にタイに行きました」「お一人ですか?」「僕、今日、財布を忘れて310 円しか持ってないんだ」さて、英語では何と言う? 簡単な日本語でも、英語にする時には落とし穴がいっぱい。でも大丈夫、少しの注意で、正確な、大人にふさわしい英語で表現することができます。すぐに役立つ例文満載、待望の一冊!

「の」の話ー「AのB」/マイ問題ー「私の〜」/恋人は何人?-冠詞と数/「なう」あれこれー「〜している」「〜します」/動詞ワンツーパンチー「入社する」「〜を探す」/ありえない話ー「もし〜なら」/「オンリー」ひとすじ?-「〜だけ」/副詞の「立ち位置」-「ただ」「ほとんど」/接続詞、力くらべー「〜ので」「〜から」「〜て」/成り行きはNG-「そこで」「結果として」/脱・カタコト英語ー「大人の」英語表現/日本語に負けないー「〜と思う」「〜など」

実際に日本人(主に大学生)の書く英作文を添削していく。たとえ文法的に間違っていないとしても(文法的におかしい文もある)、これではネイティブには意図は伝わらない。使うならば正しく伝わるようにしたい。日本人が陥りやすい間違いをネイティブの感覚から説明していくところが分かりやすい。学校教育の英語の授業に欠けているのはこういうところなのかもしれない。良質の英文にたくさん触れること、そして間違ってもいいからまずは表現して、おかしなところを改善していくこと。この繰り返しだと。

まぁ、自分もここにダメな例として出てくる大学生並みの英作文しか書けないなぁとは思った(いや、ひょっとしたらこれら以下かも)……

■ 実践 日本人の英語(岩波新書 新赤版1420)[マーク・ピーターセン]
■ 実践 日本人の英語(日本人の英語)[マーク・ピーターセン]【電子書籍】

読了:アヒルと鴨のコインロッカー(創元推理文庫)[伊坂幸太郎]

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー

  • 作者:伊坂幸太郎
  • 出版社:東京創元社
  • 発売日: 2006年12月

【第25回吉川英治文学新人賞受賞】
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的はーーたった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 注目の気鋭が放つ清冽な傑作。解説=松浦正人

*第2位「このミステリーがすごい! 2005年版」国内編ベスト10
*第3位 2004年(第1回)本屋大賞
*第4位「週刊文春」2004年ミステリーベスト10/国内部門

*映画『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年/中村義洋監督)原作

いやぁ、面白かった。伊坂幸太郎さすがだねぇ。一文が短いのと、言葉が分かりやすいからポンポン読める。それでいて会話の軽妙な巧みさにはうなるしかない。そして謎の設定とやがて明かされた真実に見事に騙されたよ。

■ アヒルと鴨のコインロッカー(創元推理文庫)[伊坂幸太郎]
■ アヒルと鴨のコインロッカー[伊坂幸太郎]【電子書籍】

読了:テスカトリポカ(角川文庫)[佐藤 究]

テスカトリポカ

テスカトリポカ

  • 作者:佐藤 究
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日: 2024年06月13日

心臓を鷲掴みにされ、魂ごと持っていかれる究極のクライムノベル!
メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。生き残った三男のバルミロは、追手から逃れて海を渡りインドネシアのジャカルタに潜伏、その地の裏社会で麻薬により身を持ち崩した日本人医師・末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモは公的な教育をほとんど受けないまま育ち、重大事件を起こして少年院へと送られる。やがて、アステカの神々に導かれるように、バルミロとコシモは邂逅する。
1 顔と心臓
2 麻薬密売人と医師
3 断頭台
4 夜と風
  暦にない日

直木賞、山本周五郎賞ダブル受賞のハードボイルドクライム小説。麻薬カルテル、闇医者、無戸籍児童に児童心臓密売と一般人にはおよそ関係しないような裏社会の話なんだけれども、それをエンタメとして一気に読ませる作者の力量がすごい。テスカトリポカはアステカ神話の神様なんだけれども、単にアステカ神話を引用しているだけではなく、テスカトリポカの生贄神事を児童心臓密売という現代のストーリーとして翻案再構築しているところが見事。

■ テスカトリポカ(角川文庫)[佐藤 究]
■ テスカトリポカ[佐藤 究]【電子書籍】

読了:成瀬は都を駆け抜ける[宮島 未奈]

成瀬は都を駆け抜ける

成瀬は都を駆け抜ける

  • 作者:宮島 未奈
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2025年11月29日

唯一無二の主人公、膳所から京都へ! 令和最強の青春小説シリーズ堂々完結! 高校を卒業し、晴れて京大生となった成瀬あかり。一世一代の恋に破れた同級生、達磨研究会なるサークル、簿記YouTuber……。新たな仲間たちと出会った成瀬の次なる目標は“京都を極める”! 一方、東京の大学へ進学した島崎みゆきのもとには成瀬から突然ある知らせが……⁉ 最高の主人公に訪れる、究極のハッピーエンドを見届けよ!

前2作の感想はこちら。

読了:成瀬は天下を取りにいく[宮島 未奈]

読了:成瀬は信じた道をいく[宮島 未奈]

相変わらずのライトエンタメ青春小説。描かれているのは成瀬が京大生になってからの1年間なので、前作「成瀬は信じた道をいく」と時期が被っている。前作が大津(膳所)での成瀬を描いたもので、今作は京都での成瀬を描いたもの(成瀬は膳所の自宅から京大に通っている)。今回も、各話ごとに語り主が変わり、それぞれが成瀬との関わりを語っていく。今回はシリーズのまとめにかかっているためか成瀬の変人活躍度は小振りな印象。

■ 成瀬は都を駆け抜ける[宮島 未奈]
■ 成瀬は都を駆け抜ける(「成瀬」シリーズ)[宮島未奈]【電子書籍】

読了:星を継ぐもの【新版】(創元SF文庫)[ジェイムズ・P・ホーガン/池 央耿]

星を継ぐもの【新版】

星を継ぐもの【新版】

  • 作者:ジェイムズ・P・ホーガン/池 央耿
  • 出版社:東京創元社
  • 発売日: 2023年07月10日

『星を継ぐもの』シリーズ4作品 新版化

月面で発見された5万年前の死体はどこからやってきたのか?
ハードSFの巨匠ホーガン不朽の名作

第12回星雲賞海外長編部門受賞作

【創元SF文庫60周年記念新版】
月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体はなんと死後5万年を経過していることが判明する。果たして現生人類とのつながりは、いかなるものなのか? いっぽう木星の衛星ガニメデでは、地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの巨星が一世を風靡したデビュー作。第12回星雲賞海外長編部門受賞作。

月面で発見された死体。しかし月面で行方不明になったものはどの基地にもおらず、調べてみると死後5万年経過していることが分かる。はたしてこの死体は何なのか?

この出だしだけで、もう読まないなんてことはありえない。SFと進化生物学と結びつけて展開されるストーリー。進化は実験で再現するのが難しいが、様々な調査結果から仮説を組み立てていく。調査結果と可能な限り矛盾しないような仮説の組み立て、そしてどんでん返しの末、行きついた最終仮説は?あくまでも最後は最終仮説に至るだけである。しかもその最終仮説に至る締めくくりを行ったのが、主人公ではなく、ちょっと頭固い系と思われていた生物学者だったのもおもしろい。

■ 星を継ぐもの【新版】(創元SF文庫)[ジェイムズ・P・ホーガン/池 央耿]
■ 星を継ぐもの(巨人たちの星シリーズ)[ジェイムズ・P・ホーガン]【電子書籍】

読了:さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)(宝島社文庫)[中山七里]

さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)

さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)

  • 作者:中山七里
  • 出版社:宝島社
  • 発売日: 2012年05月

『さよならドビュッシー』の玄太郎おじいちゃんが主人公になって大活躍!脳梗塞で倒れ、「要介護」認定を受けたあとも車椅子で精力的に会社を切り盛りする玄太郎。ある日、彼の手掛けた物件から、死体が発見される。完全密室での殺人。警察が頼りにならないと感じた玄太郎は、介護者のみち子を巻き込んで犯人探しに乗り出す…「要介護探偵の冒険」など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。

要介護探偵の冒険/要介護探偵の生還/要介護探偵の快走/要介護探偵と四つの署名/要介護探偵最後の挨拶

「さよならドビュッシー」の冒頭で焼死してしまう車椅子の毒舌おじいちゃん玄太郎を主人公にした前日譚スピンオフ短編集。本編シリーズの主人公であるピアニスト探偵岬洋介が出てくるのは最終話のみで、これが「さよならドビュッシー」につながっていく。

読了:さよならドビュッシー(宝島社文庫)[中山七里]

今回は岬洋介が主人公ではないので音楽の話題はほぼ出てこない(最終話のクラシックレコードの話くらい)。玄太郎おじいちゃんと介護士のみち子さんとの会話がとにかくおもしろい。どの事件も、事件そのものやトリックは既視感あふれるところが若干あり、実際にそんな動機でそこまで事件になる?なんて感もあるんだけれども、とにかくエンタメとしておもしろいのであるよ。ライトノベルの様に読めるミステリー。

■ さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)(宝島社文庫)[中山七里]
■ さよならドビュッシー 前奏曲(岬洋介シリーズ)[中山七里]【電子書籍】

読了:幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル[牧原 勝志(幻想と怪奇編集室)/YOUCHAN]

幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル

幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル

  • 作者:牧原 勝志(幻想と怪奇編集室)/YOUCHAN
  • 出版社:新紀元社
  • 発売日: 2025年09月05日頃

国内著名作家の書き下ろしショートショート・アンソロジー。テーマは「街」。ホラー・ミステリ・ファンタジー・SF等さまざまなジャンルの書き手が、幻影の街を舞台に物語をつむぐ。第3回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテスト入選作品も収録。

掲載作家(五十音順)
朝松健/新井素子/池澤春菜/今井亮太/井上雅彦
植草昌実/空木春宵/太田忠司/小田雅久仁/勝山海百合
菊地秀行/北原尚彦/黒史郎/澤村伊智/澁澤まこと
高野史緒/中川マルカ/西崎憲/伴名練/久永実木彦
日比野心労/深堀骨/三津田信三/村山早紀/木犀あこ
芦花公園

第一部 幻影の街(町の記憶/わたしの住む町/あの角を曲がると/新たな環境/電車に乗って/夢に訪れる/奇妙な街角/どこかで/異邦にて/記憶の街)/第二部 第三回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテスト 入選作(最優秀作/優秀作)

「街」をテーマにした幻想怪奇短編アンソロジー。それぞれの話に好き嫌いはあるんだけれども、それぞれに個性というかそういう切り口があったかとか思えて面白い。不思議な短編を連続して読んでいると、違う話なのに前後の話がその境界を失ってイメージが混沌として自身の中に形成されてくる、妙なる感を覚えた。

■ 幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル[牧原 勝志(幻想と怪奇編集室)/YOUCHAN]
■ 幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル(幻想と怪奇 幻影の街 ショートショート・カーニヴァル)[『幻想と怪奇』編集室]【電子書籍】

読了:悲しみよ こんにちは(新潮文庫 新潮文庫)[フランソワーズ・サガン/河野 万里子]

悲しみよ こんにちは

悲しみよ こんにちは

  • 作者:フランソワーズ・サガン/河野 万里子
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2009年01月

セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ…。20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。

パパの彼女が死んじゃうんだけれども、昔読んだ記憶が間違っていた。死ぬのはエルザかと思っていたが、アンヌだったか。それになんか今回無性に読みやすかったんだけれども?って、新訳だったのね。さくさく読めたよ。その夏私は17歳で幸せだったといえば「悲しみよこんにちわ」。橋本治の桃尻娘はそのことに悪態をついていたような(これも記憶違いだったりして)。サガンが18歳の時に書いたデビュー作。不安定でありながら空虚な思春期の少女の有り様を見事に描き切っている。

遊び人のパパが洗練された大人の女性のアンヌと結婚?私(セシル)とパパの仲はどうなっちゃうの?そんなのパパらしくないっていう単純な問題なのに、思春期の少女が複雑な感情を抱き、ある計画を実行する。セシルは一見冷めているようでも、いちいち事に反応して気持ちはあっち行ったりこっち行ったり。周りを振り回しているのに、自分のことにしかあまり関心がなさそう。最後にはアンヌが事故ということで亡くなるんだけれども、喜ぶわけでもなく悲しむわけでもなく。アンヌの死はセシルのせいかもしれないのに。ただ過ぎたことへの罪悪感、現実感、気持ちの揺れというものはあまり感じないようで。ただなんとなく漂う虚無感。そういうことを知って受け入れてしまう近代の年頃少女。

■ 悲しみよ こんにちは(新潮文庫 新潮文庫)[フランソワーズ・サガン/河野 万里子]
■ 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)[フランソワーズ・サガン]【電子書籍】

読了:国家の神話(講談社学術文庫)[エルンスト・カッシーラー/宮田 光雄]

国家の神話

国家の神話

  • 作者:エルンスト・カッシーラー/宮田 光雄
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2018年02月11日頃

『認識問題』、『シンボル形式の哲学』などの大著を完成したエルンスト・カッシーラー(1874-1945年)が、ナチスが台頭し、第2次世界大戦に向かっていく状況の中、最晩年に至ってついに手がけた記念碑的著作。国家という神話は、どのようにして成立し、機能するようになるのか。独自の象徴(シンボル)理論に基づき、古代ギリシアから中世を経て現代にまで及ぶ壮大なスケールで描き出される唯一無二の思想的ドラマ!

本書は、ドイツの碩学エルンスト・カッシーラー(1874-1945年)が最晩年に手がけた記念碑的著作、待望の文庫版である。
新カント派に属して哲学、文学、歴史学を学んだカッシーラーは、現代文明の土台をなす近代科学の構造とその基礎概念の認識批判的な研究『実体概念と関数概念』(1910年)で経歴を開始した。だが、当の現代文明は、程なく第1次世界大戦という破局をもたらす。この現実を前にして、大戦で争われていた精神的価値に対する態度表明を行う『自由と形式』(1916年)を発表したカッシーラーは、その一方で、大著『認識問題』全4巻(1906-50年)、そして主著『シンボル形式の哲学』全3巻(1923-29年)に取り組んだ。
しかし、世界は再び大戦に向かって突き進んでいく。祖国ドイツでは1933年にナチス政権が誕生し、独裁が強化される。その支配が頂点を迎えつつあった1941年、ついにカッシーラーはそれまで正面から扱うことがなかった「国家」という主題に取り組むことを決意した。
過去の著作で確立された象徴(シンボル)に関する理論に基づきつつ、本書は国家を「神話」として解読していく。その射程は、古代ギリシアから中世を経て、マキアヴェッリ、ロマン主義、ヘーゲルから現代に至る、きわめて広大なものである。独自の理論を構築した哲学者であるとともに第一級の思想史家でもあったカッシーラーにして初めて書き上げることができた本書は、新たな危機に向かっているように見える今日の世界の中で、何度でも精読されなければならない。
政治学・ヨーロッパ思想史の大家が手がけた翻訳が、半世紀以上の時を経て、全面改訂と新たな解説を加えた文庫版として登場。

 第一部 神話とは何か
第一章 神話的思惟の構造
第二章 神話と言語
第三章 神話と情動の心理学
第四章 人間の社会生活における神話の機能
 第二部 政治学説史における神話にたいする闘争
第五章 初期ギリシア哲学における《ロゴス》と《ミュトス》
第六章 プラトンの『国家』
第七章 中世国家理論の宗教的および形而上学的背景
第八章 中世哲学における法治国家の理論
第九章 中世哲学における自然と恩寵
第十章 マキャヴェッリの新しい政治学
第十一章 マキャヴェッリ主義の勝利とその帰結
第十二章 新しい国家理論の意味
第十三章 ストア主義の再生と《自然法》的国家理論
第十四章 啓蒙哲学とそのロマン主義的批判者
 第三部 二十世紀の神話
第十五章 準 備:カーライル
第十六章 英雄崇拝から人種崇拝へ
第十七章 ヘーゲル
第十八章 現代の政治的神話の技術
結 語
訳 註
訳者解説
学術文庫版訳者あとがき
人名・作品名索引

邦訳がいいのか結構するっと読めて、おもしろかった。でも理解できたかって言われると、素直に「うん」とは言えない。神話とは何かから始まって、西欧における政治哲学の歴史をたどっていく。あぁそうなのかと読み続けてはいくんだけれども、こっちはなんの前知識もなくどこに向かっているのかも分からず、なんとなく世界史のこのころの時代の話をしてるんだなとかいう程度でついていくしかない。誰それの理屈がどうのこうのというのはもうまったく分からん。ただただそうなのかとしか。さすがに最後の章にいたって、ようやくゴールだけはわかった。あ、そこに行きつくための議論がずっとされてたんだ。気付かんかったなぁ。ある程度基礎知識を身に着けてから再度読んでみるともっとわかるかもとか思った。

■ 国家の神話(講談社学術文庫)[エルンスト・カッシーラー/宮田 光雄]
■ 国家の神話(国家の神話)[エルンスト・カッシーラー]【電子書籍】

読了:レナードの朝新版(ハヤカワ文庫NF)[オリヴァー・サックス/春日井 晶子]

レナードの朝新版

レナードの朝新版

  • 作者:オリヴァー・サックス/春日井 晶子
  • 出版社:早川書房
  • 発売日: 2015年04月08日頃

奇蹟の新薬により目覚めた患者の人生を深い洞察力で描く医学エッセイ。解説/中野信子

第1部 プロローグ(パーキンソン病とパーキンソン症候群/嗜眠性脳炎(眠り病)について/嗜眠性脳炎の経過(一九二七年~一九六七年) ほか)/第2部 目覚め(症例1-フランシス・D/症例2-マグダ・B/症例3-ローズ・R ほか)/第3部 展望(展望/目覚め/試練 ほか)

ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズ共演の映画「レナードの朝」の原作小説と思って積読してあったんだけれども、ようやく読んだよ。うん、原作ではあったんだけれども小説ではなかった。1960年代末にオリヴァー・サックス医師が嗜眠性脳炎の後遺症でパーキンソン症候群を呈している患者に、新薬であるL.ドーパ(ドーパミンの前駆体?)を投与したおよそ20名の症例と経過を記したエッセイ。それまで反応のなかった患者が目覚ましく正気に戻るものの、その後の症状は安定しないことが多く、多くの患者は綱渡り状態であった。そのあやうさに葛藤しながらも、医師として患者を一人の人間として扱うことに苦心する様も述懐される(だから映画の原作にもなったのだろう)。1970年代に出版されてから何度も改訂し、当時の患者は亡くなっていくがその後の実態解明報告とともに、映像ドキュメンタリー、演劇化、映画化の経緯も含めて附録に記載。

■ レナードの朝新版(ハヤカワ文庫NF)[オリヴァー・サックス/春日井 晶子]
■ レナードの朝〔新版〕[オリヴァー サックス]【電子書籍】
■ レナードの朝 : 作品情報・キャスト・あらすじ – 映画.com