「社長は課長だったんです!!」

S吹奏楽団の仲間と親睦飲み会の席で、ある女性が突然次のようにのたまった

「聞いてください!!うちの社長は課長だったんです!!」

その場にいた全員、彼女が口にした日本語の意味が取れずに「この女はいったい何を言いだしたんだ?」。

彼女はさる非営利系の団体に勤めているのであるが、その団体は各センターみたいなものをいくつか持っている。彼女は、その中の1つで働いている。そして彼女が属しているセンターみたいな所の一番偉い人のことを彼女は「社長」と呼んでいるのである(会社ではない非営利系団体の中のいくつかあるセンターのトップなのだから、「社長」ではなく「センター長」とか「所長」だろうとか思うのだが、彼女にとっては「社長」らしい)。そしてその「社長」の指示の出し方や仕事のやり方が、彼女の合理的精神とは相容れないようで、これまでにも「社長」について、よく愚痴をこぼしていたのである(愚痴をこぼすだけでなく、職場でも直接「社長」本人にダメ出しをしているらしい)。

おそらく、彼女の発言に出てきた「社長」というのはその「社長」のことであろうことは理解した。でも「社長が課長だった」とはどういう意味だ?

よくよく聞いてみたところ、彼女が「社長」と呼んでいる人が、非営利系団体全体の中では「課長」相当の役職だったということらしいのだ。いつも「社長」と呼んでいた人が実はそういう立場の人だったことに彼女が勝手に驚いただけなのだが、それが上述の突拍子もない日本語となったわけであった。(そして同じセンターに彼女が言うところの「副社長」という人もいるのだが、その人は「係長」相当だったらしい)

仕事の合理化は結構だが(実際彼女は仕事ができる)、彼女が口にする独りよがりな合理化された日本語発言はちょくちょく必要な要素が足りていなくて結構おかしい。まぁそこが彼女が皆から愛されている理由の1つではあるのだが。

He always says what he wants to say.

クリスマスでも仕事はあって、クリスマスでもS吹奏楽団練習(吹き納め)。

練習後、いつものように仲間とご飯&飲み会なわけです。そこでA君とO君から、「ラフの言動は容赦がない」と評される。A君が「ラフは一向に忖度しないよね~」と言えば、すかさずO君が「例えば子供が遊んでいるところにも、大人が本気でかかっていくようなところあるよね」と突っ込む。もちろんラフも返す「でも(ラフの言動には)愛があるでしょ?(<自分で言うな)」。A君O君「うん、確かに。だから嫌われないんだよね」。うわぁ~い、ほめられたぜぃ。愛されキャラ認定いただきました(<そこまではほめてない?)。割と言いたいことは素直に口にし、好き勝手にふるまいながら、ラフはもうかれこれ10年以上S吹奏楽団の末席を汚させていただいております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

平成生まれというだけで若いと思ってしまう昭和世代幻想

 演奏会後の打ち上げにおいて、さる団員が別の団員に「え?平成生まれなの?若~い!!」なんて言葉を発していたんだけれども、ちょっと待って!!平成だって30年はあったんだから、元年生まれだとしたらもう30なわけで小学生くらいの子供がいる人もたくさんいるんだよ。平成っていうだけで若いなんて思うのは幻想だよ、それこそ昭和の発想だよ、とつっこんでおいた。(とはいえS吹奏楽団のメンバーが概して高年齢に偏っているという事実はあるのだが)

 一時期若い世代がアプリのプロフィールにH〇組とか(〇には数字が入る。概して一桁。平成何年生まれとかいうことらしい)いう表現を使っているのをよく見かけたけれども、そのうち気が付けば「R〇組」とかいう世代が出てくるんだろうね。いや、そのころにはもっと違う表現が生まれているのかな。そういえば、平成18年に「今年はとうとう平成生まれがゲイシーンにデビューする」っていう震撼表現もあったなぁ。

読了:自虐の詩 (竹書房文庫) [ 業田良家 ]

ここのところ立て続けに、ネット上でこのマンガに言及する記事を2本目にしたので読んでみた。ん~~、ラストを読んで思い出した。これ映画化されているよね。ラストシーンだけは覚えていたよ。これまでまったく覚えていなかったということは、そんなに映画はおもしろくなかったのかも(見たことさえも忘れるくらいだし)。

前半(上巻)は、ダメダメな男とそれに惚れている薄幸の女の貧乏な同棲日常生活が描かれる4コマ漫画。正直、絵も好きではないし、ストーリーもたいしたことないし、お約束落ちのちゃぶ台返しも面白いとは思えなかった。ところが、後半(下巻)で、女の過去が描かれだすと(特に中学時代)、がぜん面白みを増すのだ。じゃ、後半だけ読めばいいのかといえば、そうではない。前半があったから、この過去の回想が生きてくる。人に歴史ありなのだ。そして中学当時の親友と再会するラストで感動するのだ。

自虐の詩(上巻) (竹書房文庫) [ 業田良家 ]

自虐の詩(下巻) (竹書房文庫) [ 業田良家 ]

月の旅人

今年も縁あってT吹奏楽団の春の恒例行事アンサンブル大会に参加させてもらうことになりました。今年の参加は金管8重奏。お題は 高橋宏樹作曲「月の旅人」です。本日、初合わせに参加してきました。変拍子やベルトーンなどちょっと面倒くさいところもありますが、チームの合言葉は「気を確かに」。とりあえず本日はなんとか通すところまで。練習はあと2回。

年末年始のゲイもの鑑賞

年末年始休みに、ゲイものをいくつか消化したので、その紹介。


あさな君はノンケじゃない! [ あさなさくま ]


 昨年末に出た、普通のゲイの日常エッセイマンガ。エロ要素はなし。絵柄が柔らかくて好き。話題もわかるわかるってところは多い。著者が言うように、主人公はゲイの一例でしかないというのは当然なんだけれども、それでも共感できる部分は多い。そりゃ、美大出でアパレル勤務で女装趣味があってゴージャスな交友関係があってっていう部分だけ取り出せば、特殊なゲイだという面はあるかもしれないけれども、普段感じること考えることは同じだなぁと思う。パートナーとの出会い、生活の章は特にほのぼのとする。でもまぁ、アラサーってことは、20代後半?そんな彼が、年下のゲイ友に新たな世代の到来を感じるとか、自身の肌の問題が気になるとか出てくると、ラフのようなアラフィフおっさんはもう一体どうしたらいいのかと思ってしまうよ。ノンケが読んでもおもしろいように(興味本位に堕することなく)描かれている部分も好感が持てる。

あさな君はノンケじゃない! [ あさなさくま ]


青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 2 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 3 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 4 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 5 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]


 某ゲイブログで絶賛されていた青春マンガ。とりあえず現在出版されているところまで読んだ。恋と友情に揺れる高校3年生の4人組を中心に描かれる。この4人組、男子2名(幼馴染のA君、B君)に女子2名(親友同士のCさん、Dさん)なのだが、心優しいけれどもどんくさいCさんは、スポーツ万能のイケメンB君が好きで、それを知った地味目のA君はCさんの恋を手伝うことになる(やがてA君はCさんに惹かれていく)。でも、B君が好きなのはどうやらA君で(作中では決定的には明らかにはされていないが強くほのめかされている)、A君もCさんもそのことを知らない。そしてCさんの親友Dさんは実はCさんが好きなのだ。B君とDさんはお互いにこのことを知っている。やがてCさんはB君への思いは単なる憧れであることに気づき、A君を好きなっている自分に気づき……。文章にすると分かりにくい関係だなぁ。

 異性間の友情は成り立つか?というのはどうやらノンケ世界では永遠の話題であるようだ。ゲイのラフとしては当然成り立つのであるが。じゃノンケに惚れたゲイが恋をあきらめようとして友情を続けることはできるのか?仲良くしたい、あるいは思いを寄せる相手との関係に、好意を持っているがゆえに思い煩う青春の甘酸っぱさ。今後の展開が楽しみだ。
青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 2 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 3 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 4 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]
青のフラッグ 5 (ジャンプコミックス) [ KAITO ]


Love, サイモン 17歳の告白【Blu-ray】 [ ニック・ロビンソン ]


アメリカでは高評価だったにも関わらず、日本では公開されなかった映画。すごく好感の持てるさわやか青春映画なのに、なんで日本では公開されなかったんだろう。

ゲイであることを隠して生きる普通の高校生が、同じ高校にいるらしい隠れゲイとメールで親しくなっていくものの……。友達や家族との関係、カミングアウトとアウティング、いろんな問題を抱えつつも自分自身が生きていくための力を自分でつかんでいく様に希望が持てる。とりわけ、アイデンティティを模索する中「ゲイのファッション」をネットで検索していろいろ試してみるんだけれども、結局はいつもの自分通りの服装を選ぶシーンがよかった。まぁラストで、やっぱりイケメンはイケメンと出会うのねっていうところがおとぎ話的ハッピーエンドではあるけれども、前向きになれる青春映画。

Love, サイモン 17歳の告白【Blu-ray】 [ ニック・ロビンソン ]


「やがて君になる」
先だってのクールでとても評判が良かったアニメ(原作も評価が高いらしい)。自分自身が何者か、人を好きになるとはどういうことかという青春ものとして至極真っ当なものではあるんだけれども、なのになんだか、同性を好きになるってことをバカにされているような描き方な気がするのはなんで?このザラザラした違和感は何だろう。若干の気持ち悪さと腹立たしさを感じる。ゲイに惚れられるおそらくノンケが主人公ということでは、去年大流行したドラマ「おっさんずラブ」が素直に受け入れられたのに、こっちは受け入れられないのはなぜだろうか?ちょっと考えてみたい。


上に何度も「普通」と書きながら、「普通」ってなんだよと、自分自身に突っ込み続けたラフは、今年もゲイです(当たり前だ)。今年もよろしく。

家族と過ごす大みそかと元旦

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

大みそかの夕方に実家に帰り、正月の午後に東京に戻る。年末年始に帰省したのって何年振り?

まずは、大みそかの話から。

帰省したら、弟一家と兄も帰っていた。弟一家は晩御飯後に帰っていくというので、姪に一日早くお年玉をあげた。姪にお年玉をあげたのは初めてだ。小学校5年生になってはじめてお年玉をあげるというのは、おじさんとしてダメだったのか?自分には子供がいないし、兄にもいない。弟の子供はこの姪のみなので、もし自分が死んだ場合、自分の遺産は(あったとして)法的にはこの姪にいくことになる。別に嫌だとか言うわけではない。ただ、母方の祖母(義母)が亡くなったとき、うちのおかんが遺産相続でえらい面倒くさいことに巻き込まれて消耗したことがあったため、おかんからその旨(法的には姪に相続権がある)を強く言い含められた。父はすでに終活をはじめていて、遺書や遺言書(私的なものと法的なものを用意している)が用意されていた(中身は見ていない)。ネットの様々なサイトの各種アカウント・パスワードも一覧にまとめてあったのだが、紙に印刷されてパソコンの隣に堂々と張り出されてあったのには笑った。いざというときには役立つ必要情報ではあるが……。家にいるのは、おかんとおとんのみとはいえ、公開パスワード状態だよ。

紅白歌合戦を見ながら、みんなで鍋をつついていたんだけれども、兄が「そもそも今時、男女に分かれてチームを組むって時代に即してない。それに『合戦』って(失笑)」とかいうことを言っていた。そしたら、番組内でおげんさんも「男女チーム」に異論を述べていて、あぁもうそういう時代になったんだなぁと思ったりもした。一方で、男性チアを見た姪が「(ああいうの)気持ち悪い」と言ったことをラフは聞き逃していないぞ。もちろん姪が悪いと言いたいわけではないし、その親(弟夫婦)を非難するわけでもない。おそらく弟夫婦は明示的には多様性を否定する立場にないことを感じているし。ダイバーシティがどうのこうのという時代になってきたとはいえ、普通に(普通ってなんだ?)小学生までやってきた子にとっては、そういう考え方(チアは女性のものであり、男性チアは男らしくなくて気持ち悪いと思うこと)をいつの間にか刷り込まれているんだなと思った次第。

で、明けて正月。年が明けて初めて見る夢を初夢という。通常は、1月1日に寝て、よく朝起きた時に認識している夢のことらしいので、1月2日の夢のことを指す。でも、まぁ元旦に見た夢だって初夢だよね。で、昨晩そういうことがあったこともあって、初夢は、母親に自分(ラフ)がゲイであることをどうしても受け入れてもらえないというものだった。当然うなされて起きる。寝覚め最悪な年明け。ラフは両親にはすでにカミングアウトしているが、しただけで、その後のフォローはうまくできていない。結局両親にとっても、自分にとってもなんだかわだかまりが残ったままのカミングアウトだったのだよ。ラフがカミングアウト積極論には加担できないのはそういうこともある。カミングアウトはえらいわけでもしたほうがいいものとは限らない。元旦から面倒くさくてやっかいで心が重くなる目覚めだったよ。リビングからは、朝っぱらからおかんがテレビで上沼恵美子のトークを大音量で見ながら「あははは」と大笑いしているのが聞こえてきた中で……。

今年もW吹奏楽団の手伝い

 去年はSちゃんにまかせたので飛ばしましたが、今年もW吹奏楽団の演奏会にお手伝いで乗ります。今日はその練習に行ってきました。トロンボーンは団員が2名いるんだけれども、中学1年生と中学2年生の女の子。この二人がとてもうまいのだ。強弱関係なくずっとフォルテで吹き続けるとか、楽譜の読みが甘くリズムが違っているとか、テンポがどんどん走るとか、若いゆえの勢いだけなところは否定できないけれども、とにかく物おじしないスタイル、ハイトーンもバリバリ鳴らす、音がとてもトロンボーン的とか、いいところもたくさんある。おじさんは3rdを吹いているけれども、君たちを支えるから一緒にがんばろうと素直に思ってしまったよ。

 おそらくメインの曲がちょっと難易度高め。おじさん若干苦労しています。2/2のテンポ早目の部分は楽譜がどんどん進んでしまうので、ついていくのが大変。しかも何か所か譜めくりが間に合わないところが判明している。どうしたものか。ついでに貴重な休み(10秒ほど)で自分のミュートを外すほかに、隣にいるチューバのミュート外し係にも任命された。おぉ大丈夫か俺。

M子とピアノリサイタル

 M子に誘われて、ピアノリサイタルを聴きに行ってきましたよ。ピアノの演奏会は久しぶりだ。ついでにM子に会うのも久しぶりだ。

 今回のピアニストの演奏を聴くのは実は2回目。ごくまっとうな解釈と演奏をする方なのでその点は安心(刺激が少ないと言われればそれもまた一理ではあるけれども)。技術的な難を言えば、フォルテの音にしなやかさがない点と細かいパッセージがクリアにならない点。演目の出来は前半が今一つだった。しかし後半のメイン曲はそれまでが別人かと思うくらい素晴らしい出来だった。驚いた。この演奏が聴けただけでも来たかいがあったというものだ。

 終演後にM子とビール飲みながら話をしたんだけれども、あいかわらず話が面白い。M子とはかれこれ20年近いつきあいになるなぁ。今度、ラフは彼氏を連れて、M子は夫(スペイン人)を連れて、4人で飲みたいねと話をして別れたよ。楽しい時間をありがとう。

【定期】読者へのメッセージ

 さて、当サイトもかれこれ2年近くぼちぼちと駄文を書き散らしてきているわけですが、どのくらいの読者がいるかを白状してみようかな。記事が更新されるたびに読みに来てくれるのが一人(ラフの彼氏です)。あとはたまに読みに来てくれる友達が1,2人ほど。そしてネットの世界から迷い込んでいらっしゃる方がまれにいるくらい。1つの記事につきどのくらい読まれているかというと5回も読まれればかなりいいほうかな(何か起こったのか?ってくらい)。ま、そりゃそうだ。読んだからといって役に立つわけでもなく、とりたてて面白いものを書こうとしているわけでもなく、タイトルであおろう何てことも一切考えていないもんね。もちろんブログで稼ぐなんてこれっぽっちも考えていない。ここは知人にあてた近況報告なんだ。最近のラフは、こんなことしています、こんなこと思っています、こんなこと考えていますっていう一方的な表明なのである。