読了:居酒屋の世界史【電子書籍】[ 下田淳 ]



「はじめに」にあるように本当に「つまみ読み」(著者自身は「つまみ飲み」と表す)以上のものではない。居酒屋に関する文献の断片紹介。著者の専門がドイツ史であるためか、主にヨーロッパ社会を居酒屋というものを通して覗いてみるという意図があるのであろうが、いかんせん内容が薄い。居酒屋を「金銭の見返りに酒類を提供する営業空間」と定義し、論展開のキーワードとして「農村への貨幣経済の浸透」「居酒屋の多機能性」「棲み分け」をあげる。ここにおいて狭義の「居酒屋」というものを定義したのに、本文中では一般的な広義の「居酒屋」とごっちゃに扱っている点はいただけない。たとえば、ヨーロッパ中近世を居酒屋の最盛期、ヨーロッパ近現代を居酒屋の衰退期と題しておきながら、19世紀フランスの居酒屋(広義)の軒数が多いことで「居酒屋天国」と表すなど。一文が短いので勢いよくポンポン読めるので居酒屋の歴史概要を知るにはいいかも。雑学書というべきで学術書的な内容を期待すると期待外れ。

居酒屋の世界史【電子書籍】[ 下田淳 ]

読了:神の代理人 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]



イタリア・ルネサンス期の4人のローマ法王、ピオ2世、アレッサンドロ6世、ジュリオ2世、レオーネ10世を取り上げた作品。中世が明けたルネサンス期、それでもキリスト教の頂点に立つローマ法王の権威はどれほどのものだったのか、決して聖なるものだけではない人間臭さをもつ人物像が描かれる。おもしろいのは、連続する法王なのに考え方や態度がそれぞれにまったく違うということ。塩野はこれら4人の法王をそれぞれ別の記述体で描く。とりわけよかったのは、アレッサンドロ6世とフィレンツェの修道士サヴォナローラの対立を、時系列に並べた文献のみで描いた章(ただし文献のうちの1つは塩野の創作)。

神の代理人 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

年末の足音

 夕方、近所のスーパーに買い物に出かけた。店に入ったところに鏡餅が売っていた。あぁもうそういうシーズンなのかと。今年も早いものだ。そういえば、昨日の練習でクリスマスの曲を練習したくらいだもん、もう年末なんだよなと改めて思った。

 おもわず、カシューナッツを一袋(270g)買ってきて、一気に一袋すべて食べきってしまった。ナッツは体にいいとはいえ、さすがに一袋は食べすぎだろうと反省。

今年もW吹奏楽団の手伝い

 去年はSちゃんにまかせたので飛ばしましたが、今年もW吹奏楽団の演奏会にお手伝いで乗ります。今日はその練習に行ってきました。トロンボーンは団員が2名いるんだけれども、中学1年生と中学2年生の女の子。この二人がとてもうまいのだ。強弱関係なくずっとフォルテで吹き続けるとか、楽譜の読みが甘くリズムが違っているとか、テンポがどんどん走るとか、若いゆえの勢いだけなところは否定できないけれども、とにかく物おじしないスタイル、ハイトーンもバリバリ鳴らす、音がとてもトロンボーン的とか、いいところもたくさんある。おじさんは3rdを吹いているけれども、君たちを支えるから一緒にがんばろうと素直に思ってしまったよ。

 おそらくメインの曲がちょっと難易度高め。おじさん若干苦労しています。2/2のテンポ早目の部分は楽譜がどんどん進んでしまうので、ついていくのが大変。しかも何か所か譜めくりが間に合わないところが判明している。どうしたものか。ついでに貴重な休み(10秒ほど)で自分のミュートを外すほかに、隣にいるチューバのミュート外し係にも任命された。おぉ大丈夫か俺。

M子とピアノリサイタル

 M子に誘われて、ピアノリサイタルを聴きに行ってきましたよ。ピアノの演奏会は久しぶりだ。ついでにM子に会うのも久しぶりだ。

 今回のピアニストの演奏を聴くのは実は2回目。ごくまっとうな解釈と演奏をする方なのでその点は安心(刺激が少ないと言われればそれもまた一理ではあるけれども)。技術的な難を言えば、フォルテの音にしなやかさがない点と細かいパッセージがクリアにならない点。演目の出来は前半が今一つだった。しかし後半のメイン曲はそれまでが別人かと思うくらい素晴らしい出来だった。驚いた。この演奏が聴けただけでも来たかいがあったというものだ。

 終演後にM子とビール飲みながら話をしたんだけれども、あいかわらず話が面白い。M子とはかれこれ20年近いつきあいになるなぁ。今度、ラフは彼氏を連れて、M子は夫(スペイン人)を連れて、4人で飲みたいねと話をして別れたよ。楽しい時間をありがとう。

非パリピのゲイ認定

 S吹奏楽団ではゲイであることをカミングアウト済みなんだけれども、同じくゲイのKさんから「ラフは非パリピゲイだよね」と認定された。自分がパリピなのかパリピじゃないのかなんて考えたこともなかったけれども、なるほど確かにどちらかに分類せよと言われたら、非パリピなのであろうな。そういえば、数年前「シャイニーゲイ」という言葉がゲイコミュニティーで大流行していたけれども、その時も自分は非シャイニーにカテゴライズされていたな。えぇ、私は地味なゲイですよ。それが何か?

パリピ(パーリーピーポー)とは?言葉の意味とバカにされない正しい使い方 / レコシン

パリピとは?特徴や行動別に、非パリピとの違いを解説します! | 生活百科

逆じゃない

 前にも書いたけれども、「逆に言うと」が口癖の人は、その後に続くのはたいてい「逆」ではないことを言っている。単に「言い方を変えると」である。そのたびに「逆じゃないだろ」と突っ込みたい衝動に駆られるラフである。

年末調整の季節

 企業などに勤めて給与取得者などやっていると、年末調整の季節なわけですよ。自分の席近くに年末調整担当者が座っているのだけれども、毎年の年中行事にもかかわらず、提出が遅れる人が多発し、問い合わせが山のように来ているようだ。自分なんかは配偶者もいなければ住宅取得などもしていないので、提出する書類を準備するのはそんなに難しくない。でも多くの人が困惑している原因は、税制が毎年のように変更されることと、よって書類のフォーマットが毎年変わること、そして書き方が直感的にはわからないというところだろう。ネット上でも年末調整の情報は毎年人気のコンテンツのようだ。検索すればその手のサイトが山のように引っかかってくる。

 税制はシンプルなほうが良い。複雑化すると間に入ってくる人が増える。すると恣意的な部分が増えて、不公平感、不透明感が増す。今話題の来秋消費税アップも、定率減税の導入がいたずらに例外を増やしてしまい事態を複雑にしているように見える。

回転の早いラーメン屋

 うちの近所に回転の早いラーメン屋がある。客の回転ではない。店の入れ替わりが早いのだ。その場所はずっとラーメン屋なのであるが、数か月ごとに店名が変わる。もちろん扱っているラーメンの種類とコンセプトも変わる。オーナーも変わっているのかどうかは分からない。毎日店の前を通りかかるのだが、どの店になってもあまり繁盛している様子はなかった。

 その店舗が最近ずっと閉まっている。かれこれ1か月近く。「閉店のお知らせ」などは特に掲示されていない。新しい店がオープンする様子もない。ついにこの店舗も終わりなのだろうか。

民主主義は多数決?

 「民主主義は多数決なんだから決まったことには従え」というのは乱暴だと思う。確かに決定は多数決によるのが原則ではあるけれども、多数決の前に「少数派になるであろうグループの意見や考え方、価値観をも念頭に置いて議論を尽くしコンセンサスを形成する」というプロセスが絶対的に必要だとラフは信じているのである(もちろんこれには何をもってコンセンサスが形成されたと判断するかという基準の設定が必要であることは承知している)。そうでないものを民主主義とは言わないだろう。「民主主義=多数決」っていう短絡的思考を見ると、大事な部分をすっとばしているけれどもこの人は大丈夫?とラフは心配してしまうのだ。