「社長は課長だったんです!!」

S吹奏楽団の仲間と親睦飲み会の席で、ある女性が突然次のようにのたまった

「聞いてください!!うちの社長は課長だったんです!!」

その場にいた全員、彼女が口にした日本語の意味が取れずに「この女はいったい何を言いだしたんだ?」。

彼女はさる非営利系の団体に勤めているのであるが、その団体は各センターみたいなものをいくつか持っている。彼女は、その中の1つで働いている。そして彼女が属しているセンターみたいな所の一番偉い人のことを彼女は「社長」と呼んでいるのである(会社ではない非営利系団体の中のいくつかあるセンターのトップなのだから、「社長」ではなく「センター長」とか「所長」だろうとか思うのだが、彼女にとっては「社長」らしい)。そしてその「社長」の指示の出し方や仕事のやり方が、彼女の合理的精神とは相容れないようで、これまでにも「社長」について、よく愚痴をこぼしていたのである(愚痴をこぼすだけでなく、職場でも直接「社長」本人にダメ出しをしているらしい)。

おそらく、彼女の発言に出てきた「社長」というのはその「社長」のことであろうことは理解した。でも「社長が課長だった」とはどういう意味だ?

よくよく聞いてみたところ、彼女が「社長」と呼んでいる人が、非営利系団体全体の中では「課長」相当の役職だったということらしいのだ。いつも「社長」と呼んでいた人が実はそういう立場の人だったことに彼女が勝手に驚いただけなのだが、それが上述の突拍子もない日本語となったわけであった。(そして同じセンターに彼女が言うところの「副社長」という人もいるのだが、その人は「係長」相当だったらしい)

仕事の合理化は結構だが(実際彼女は仕事ができる)、彼女が口にする独りよがりな合理化された日本語発言はちょくちょく必要な要素が足りていなくて結構おかしい。まぁそこが彼女が皆から愛されている理由の1つではあるのだが。

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