生存報告会 〜 ベーコンと長ネギと小松菜の麺つゆバターパスタ
生存報告会 〜 麻婆豆腐丼
読了:魚にも自分がわかる(ちくま新書 1607)[幸田 正典]
第1章 魚の脳は原始的ではなかった/第2章 魚も顔で個体を認識する/第3章 鏡像自己認知研究の歴史/第4章 魚類ではじめて成功した鏡像自己認知実験/第5章 論文発表後の世界の反響/第6章 魚とヒトはいかに自己鏡像を認識するか?/第7章 魚類の鏡像自己認知からの今後の展望
鏡に映った自分を自分だと認識できるのは高度な脳の機能で、ヒトをはじめとした一部の高等生物しかできないと思われてきた。それは進化における脳の発達と機能の分化によるものなので当然だと。ところが、著者らの研究をはじめとして最近の知見では、脊椎動物の脳の構造はそれほど違わないことが分かってきた。
著者の研究室グループが明らかにした、魚にも鏡像自己認知ができるというセンセーショナルな実験結果と科学界の反響のドラマ。まずは仮説の検討、どのような実験で何が示せれば仮説を検証できたと言えるのか。それを論文にまとめ、どの科学雑誌に発表するか、査読とリバイス対応。納得してくれない権威との議論。長年信じられてきた権威学説において検討が漏れていたの何だったのかの考察。これら一連のいきさつが分かりやすく具体的に述べられている。生物学分野における科学的手法とはどういうものかを知る意味でもおもしろいかと。
■ 魚にも自分がわかる(ちくま新書 1607)[幸田 正典]
■ 魚にも自分がわかる ──動物認知研究の最先端[幸田正典]【電子書籍】
生存報告会 〜 塩昆布とおかかと揚げ玉のおにぎり
生存報告会 〜 ベジタブルトマトカレー
生存報告会 〜 ベーコンと小松菜のパスタ
読了:いずれすべては海の中に(竹書房文庫 ぴ2-2)[サラ・ピンスカー/市田 泉]
一筋に伸びる二車線のハイウェイ/そしてわれらは暗闇の中/記憶が戻る日/いずれすべては海の中に/彼女の低いハム音/死者との対話/時間流民のためのシュウェル・ホーム/深淵をあとに歓喜して/孤独な船乗りはだれ一人/風はさまよう/オープン・ロードの聖母様/イッカク/そして(Nマイナス1)人しかいなくなった
きれいな表紙だなぁとジャケ買いしたSF短編集(買ったのは電子書籍だけど)。設定や背景やガジェットにSF要素は使われているんだけれども、登場人物はどの作品も人類で、彼女彼らの不安や焦りやどうしようもないやるせなさに溢れた心理描写に重きが置かれている。一般的な人間ドラマなのである。そして、どの作品も種明かしはされるんだけれども、オチは読者にゆだねられる。解決されないちょっとモヤっとした妙な読後感に、あぁ自分はやっぱり彼女彼らと同じ思いを抱える人間なんだなって思う次第。
地球を離れて新天地を目指す宇宙船内の文化活動を通して、過去の歴史(主に地球文明)とこれからの新しい文化の衝突や葛藤、世代間の価値観の違いとその行く末が描かれる「風はさまよう」がとりわけおもしろい。「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」のびっくり設定もユニーク。数多の並行世界にいるオリジンを共有するサラという女性が一堂に会するイベントで起きる、あるサラの殺人事件。
■ いずれすべては海の中に(竹書房文庫 ぴ2-2)[サラ・ピンスカー/市田 泉]
■ いずれすべては海の中に(いずれすべては海の中に)[サラ・ピンスカー]【電子書籍】