読了:異常【アノマリー】[エルヴェ・ル・テリエ/加藤 かおり]
前半はいろんな人のエピソードが次々繰り出され、ただ皆ある同じ飛行機に乗って乱気流に巻き込まれているという共通点があるだけで、なんだろうなぁとは思いながら読み進めていく。中盤で明かされた何が起こっているのかはとてもSFらしい設定でおもしろかった。後半はそれを踏まえて事件後のエピソードが前半のように登場人物ごとに紹介される。SFというよりも哲学的思考実験みたいな感じになっていてそういうところにフランス臭を嗅いだり嗅がなかったり。自分とは何かといった存在論を踏まえた物語という感じで、起こった出来事をうまく着地させるようなエンターテイメント性は薄い。
■ 異常【アノマリー】[エルヴェ・ル・テリエ/加藤 かおり]
■ 異常【アノマリー】[エルヴェ ル テリエ]【電子書籍】
生存報告会 〜 ミルクリゾット
生存報告会 〜 ミルクスープ
生存報告会 〜 鮭フレークと枝豆と塩昆布のおにぎり
生存報告会 〜 野菜クズとシラスのおにぎり
生存報告会 〜 お好み焼き〜豚玉
生存報告会 〜 鮭フレークとほうれん草と枝豆と塩昆布のおにぎり
生存報告会 〜 鮭フレークと塩昆布とほうれん草のおにぎり
読了:数の発明[ケイレブ・エヴェレット/屋代通子]
序 人間という種の成功/第1部 人間の営為のあらゆる側面に浸透している数というもの(現在に織り込まれている数/過去に彫りこまれている数/数をめぐる旅ー今日の世界/数の言葉の外側ー数を表す言い回しのいろいろ)/第2部 数のない世界(数字を持たない人々/幼い子どもにとっての数量/動物の頭にある数量)/第3部 わたしたちの暮らしを形作る数(数の発明と算術/数と文化ー暮らしと象徴/変化の道具)
ヒトにもともと備わっている数認識能力は次の2点らしい。
・3程度までの個数認識は一瞬で行える
・3より大きい数認識についてはある程度の量差がある集合のどちらが多いかを判断できる
ヒトは、3より大きな量を安定して正確に識別するためには、数の言葉を使って稽古を積むことが必要である
3より大きい量を具体的に認識する(数える)ためには訓練が必要で、それによりヒトは大きな数を実際に数えることができるようになっていくのだとか(3までと3より大きい数の数え方はシームレスではない?)。こういったことを言語学、人類学、生物進化学などさまざまな視点からどういうことなのかを実験例をひいて説明していく。なかなか興味深い。
農業革命は人類が桁の大きな数を見出していなければ起こりえなかった