読了:危機と人類(上/下)[ジャレド・ダイアモンド]

危機と人類(上)

危機と人類(上)

  • 作者:ジャレド・ダイアモンド/小川 敏子
  • 出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部
  • 発売日: 2020年10月05日頃

遠くない過去の人類史から学ぶべき、危機対応の叡智とは何か。『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』『昨日までの世界』で知られるジャレド・ダイアモンド博士が、日本、フィンランド、チリ、アメリカなど国家的危機に直面した世界7カ国の事例から、全世界が一致して持つべき危機への認識を解き明かす。文庫化にあたり、世界が直面するコロナ禍を分析した序章を新たに追加。

プロローグ ココナッツグローブ大火が残したもの/第1部 個人(個人的危機)/第2部 国家ー明らかになった危機(フィンランドの対ソ戦争/近代日本の起源/すべてのチリ人のためのチリ/インドネシア、新しい国の誕生)

危機と人類(下)

危機と人類(下)

  • 作者:ジャレド・ダイアモンド/小川 敏子
  • 出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部
  • 発売日: 2020年10月05日頃

国家的危機に直面した国々は、選択的変化によって生き残るーでは、現代日本が選ぶべき変化とは何か。現代日本は、基本的価値観を再評価して取捨選択し、「新常態」に適応できるか。そして人類はいま全世界を襲う危機に対し、協調した行動をとれるだろうか。国家的危機を左右する12の要因は、世界の危機にも応用できるのか。博覧強記の著者が解決への道筋を提案する。

第2部 国家ー明らかになった危機(承前)(ドイツの再建/オーストラリアーわれわれは何者か?)/第3部 国家と世界ー進行中の危機(日本を待ち受けるもの/アメリカを待ち受けるものー強みと最大の問題/アメリカを待ち受けるものーその他の三つの問題/世界を待ち受けるもの)/エピローグ 教訓、疑問、そして展望

近現代史における国家の危機と克服の例7つを紹介。そして著者の克服のための12分類フレームワークによる検討。どういう危機に直面しどのように乗り越えたのか。そして、日本とアメリカを例としてそれぞれの国が現在直面している危機は何か?さらに私たちがこれから直面するだろう危機は何で、それを乗り越えていくにはどうすればよいのか?を考察する。近現代史としてあまり詳しくは勉強していない話題が多いので(日本の部を除く)おもしろかった。無知は怖いねぇと思ったり思わなかったり。日本の部も含めて欧米の知識人がどのように世界をとらえて考えているのかを垣間見れるという面からもおもしろい。(さすがに日本のデートにおけるケータイ会話はジョークの類かと思うが)

危機と人類(上)(日経ビジネス人文庫 B たー21-3)[ジャレド・ダイアモンド/小川 敏子]
危機と人類(下)(日経ビジネス人文庫 B たー21-4)[ジャレド・ダイアモンド/小川 敏子]
危機と人類(上)(危機と人類)[ジャレド・ダイアモンド]【電子書籍】
危機と人類(下)(危機と人類)[ジャレド・ダイアモンド]【電子書籍】
危機と人類(上下合本版)(危機と人類(上下合本版))[ジャレド・ダイアモンド]【電子書籍】

読了:一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書[山崎 圭一]

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書

  • 作者:山崎 圭一
  • 出版社:SBクリエイティブ
  • 発売日: 2018年08月20日頃

一般的な教科書と違い、年号を使わずにすべてを数珠つなぎにして「1つのストーリー」として解説。読むだけで高校の世界史の知識が一生モノの教養に変わる!

序章 人類の出現・文明の誕生/第1章 ヨーロッパの歴史/第2章 中東の歴史/第3章 インドの歴史/第4章 中国の歴史/第5章 一体化する世界の時代/第6章 革命の時代/第7章 帝国主義と世界大戦の時代/第8章 近代の中東・インド/第9章 近代の中国/第10章 現代の世界

「一度読んだら絶対に忘れない」かと言われれば、やっぱり忘れるものは忘れる。また丸腰でこの本を読んでも世界史がわかるといったことはないです。とりあえず一通り世界史の授業は受けたけれどもなんだかすっきりしないんだよねという人、大人になってもう一度世界史で習ったことを思い出したい方が対象か。

授業で習う世界史の問題点は、歴史と地域をぶつ切り細切れにして、あっちいったりこっちいったりするから全体像がつかみにくいところだと思う。一通り教科書や授業で習った後に「ヨーロッパ史」「中国史」「文化史」だとかのテーマを決めたりなんかして習ったことを各自が再構築することで世界史の知識は定着していくものなのね。その再構築を手伝ってくれるツールが本書です。世界史の流れを10区分にわけて物語風にまとめてあるので、あの知識はそういう風な流れに位置づけられるのねということを確認していくのに最適。

厳選された重要語句が説明もなくしれっと出てくるので初学者にはさっぱりだろう。一方でストーリーは大まかな流れ重視なので(世界史の上澄みダイジェスト)、ある程度学習した者には物足りないといった感じ。これ1冊で入試に対応できるかと問われればとうてい無理。使いどころを間違えなければ良い本だと思う。

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書[山崎 圭一]
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書[山崎 圭一]【電子書籍】

読了:卒業したら教室で(創元推理文庫)[似鳥 鶏]

卒業したら教室で

卒業したら教室で

  • 作者:似鳥 鶏
  • 出版社:東京創元社
  • 発売日: 2021年03月11日頃

市立高校にまた卒業の季節がやってきた。柳瀬さんをはじめ仲のよかった先輩たちが巣立っていく。そんな三月の放課後、秋野麻衣が不可解なものを見たと相談に。真っ暗なCAI室で鍵をかけ、誰かが電源も入れずパソコンで何かしていたらしい。どうやら校内八番目の七不思議、神出鬼没の「兼坂さん」と判明し、葉山君たちは真相解明に奔走するが…。“市立高校シリーズ”最新長編。

あぁ、葉山君がマジな恋愛なんかしちゃだめだよとか思っちゃったけれども、ベタベタな展開にはならなかったうえに結論をぼかされたのでまぁよし。葉山君はマジメだけれどもどこか抜けているツッコミ役に徹していて欲しいのだ。

今回は、凝った作りをしている。葉山君の1学年上の柳瀬さんの卒業を迎えた時期に起こった「兼坂(んねさか)さん」事件と、それから15年後のシーン、そしてラノベ魔法小説の3本が絡み合って進行していく。作中の謎は2つ。「兼坂さん」事件の真相と、「兼坂さん」事件を題材にしたと思われる魔法小説の作家の正体。昨年すでに卒業した伊神さんがシリーズを通して卒業後もなんだかんだと謎ときにやって来ていたわけも判明。

卒業したら教室で(創元推理文庫)[似鳥 鶏]
卒業したら教室で(市立高校シリーズ)[似鳥鶏]【電子書籍】