前半は良かったんだけれどもなぁ。抱えているもののどうにもならなさ加減と今後の不安は割とリアル。そして自分のことさえままならないのに他人のことを構っていられない、周囲も理解するのが難しいし実のところ対処の仕方を知らない。そんな中でなんとか生活を保ちつつやりすごす日々。後半は話がうまくいきすぎじゃない?夜明け早すぎない?短中編なので、この夜明けの早さにびっくり。そんなお手軽に世の中うまくいくなら苦労せんよと思ったり思わなかったり。いや、さわやかで良い話にまとまっているけれどもさ、現実はもっとままならないよって。
生存報告会 〜 納豆定食
読了:幼年期の終り(ハヤカワ文庫)[アーサー・チャールズ・クラーク/福島正実]
ハインライン「夏への扉」に続く古典SFを読もう第2弾は、アーサー・クラーク「幼年期の終り」。
詩的な表現がクラークらしいんだけれども、結末はちょっと哀しい話だった。それが宇宙の上位者の摂理に基づいた運命というものなのか。
冷戦時代、ソ連とアメリカどちらが先に宇宙に到達するかという正念場に、突然地球各地に現れた異星人オーバーロードの大型宇宙船。そこから1世紀半に渡る人類とオーバーロードの関係が3つの時代で描かれる。当初はかたくなに人類に姿を見せなかったオーバーロードであったが、その先進的な技術でもって人類の差しあたっての問題を解決してしまった。人類はもはや戦争や飢えに苦しむことはなくなった。それでいてオーバーロードは人類に対して過剰な干渉はしてこないが、去るわけでもない。まるで人類を観察しているかの如く。彼らが地球へやってきた目的は何なのか。
■ 幼年期の終り(ハヤカワ文庫)[アーサー・チャールズ・クラーク/福島正実]
■ 幼年期の終り[アーサー C クラーク/福島 正実]【電子書籍】