読了:中世の星の下で(ちくま学芸文庫)[阿部謹也]

中世の星の下で

中世の星の下で

  • 作者:阿部謹也
  • 出版社:筑摩書房
  • 発売日: 2010年11月

遠くヨーロッパ中世、市井の人びとは何を思い、どのように暮らしていたのだろうか。本書から聞こえてくるのは、たとえば石、星、橋、暦、鐘、あるいは驢馬、狼など、人びとの日常生活をとりまく具体的な“もの”との間にかわされた交感の遠いこだまである。兄弟団、賎民、ユダヤ人、煙突掃除人など被差別者へ向けられた著者の温かい眼差しを通して見えてくるのは、彼らの間の強い絆である。「民衆史を中心に据えた社会史」探究の軌跡は、私たちの社会を照らし出す鏡ともなっている。ヨーロッパ中世史研究の泰斗が遺した、珠玉の論集。

1 中世のくらし(私の旅 中世の旅/石をめぐる中世の人々/中世の星の下で ほか)/2 人と人を結ぶ絆(現代に生きる中世市民意識/ブルーマンデーの起源について/中世賎民身分の成立について ほか)/3 歴史学を支えるもの(ひとつの言葉/文化の底流にあるもの/知的探究の喜びとわが国の学問 ほか)

主に中世・近世のドイツの市井の人々の歴史エピソードや考察論考エッセイ集。農村住民などにも言及されてはいるけれども、軸足はあくまでも都市住民(職人・商人・ツンフトとかギルドとかいった集団)を対象としている。前半はいろんな事物を対象とした中世都市住民の関わりや思想が具体的に紹介されていて「ふ~~んそうだったのか」の連続で興味深い。乱暴に言ってしまうと「都市伝説」みたいなことに対してもその歴史的背景を紹介したうえで考察を加えており、当時描かれた戯画挿絵も多くてわかりやすい。月曜日が来るたびに「ブルーマンデー」を連呼していたラフだが、もともとの由来はこんなところにあったのかぁ。鐘にまつわる逸話紹介も面白かった。後半は、雑誌や新聞に掲載された、あるいは講演記録での比較文化論が多く、ヨーロッパ(ドイツ)中世と日本の中世との対比にも言及されている。

中世の星の下で(ちくま学芸文庫)[阿部謹也]
中世の星の下で[阿部謹也]【電子書籍】

ひどい邦題だが、小粒でピリリと下品なおバカラブコメwww

ベン・スティラーとジェニファー・アニストン共演、適度にお下品でおバカな小粒ラブコメ。嫌いじゃない。いや好き。ラスト直前でもう少し大事件が起こって欲しかったけれども(90分の作品なのでまぁそこまでは期待しない)、ここ最近遭遇したラブコメ?の中ではずっとまともで面白かった。邦題「ポリー・マイ・ラブ」は勘弁してほしいけれどもさ(原題は「Along Came Polly」)。

  • ポリー・マイ・ラブ(★★★)

GW連休中に観た映画タイトルメモ

STAY HOME 中はリストに積みあがっていた「観ようかな映画リスト」を片付けにかかる。感想を書くのは面倒くさいのでタイトルのみ列挙。

  • 彼の見つめる先に(★★★★)
  • 人生、ここにあり!(★★★★)
  • ロケットマン(★★)
  • ガーンジー島の読書会の秘密(★★★★)
  • HELLO WORLD(★★★)
  • 第三の男(★★★)
  • わたしは、ダニエル・ブレイク(★★★★)
  • ウォールフラワー(★★★)
  • アマンダと僕(★★★)
  • 人生、ブラボー!(★★★)
  • アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(★★)
  • ローズの秘密の頁(★★★★)
  • シャッター アイランド(★★★)

シン・そして僕は途方に暮れる

以前、このような記事をアップした。

そして僕は途方に暮れる

そして、今夜も「オーマイガー」な事件は起きたのである。

きゅうりの塩昆布和えを作ろうと、乱切りにしたきゅうりと塩昆布をビニール袋に投入、ちょっと空気を含ませて口を結びシャカシャカ振っていたら、突然ビニール袋のサイドが「ズバっ」と裂けたのである。台所中に散らばる乱切りきゅうりと塩昆布。「おーまいがー、おーまいがー、おーまいがー」。以前のみじん切りほどの大惨事ではないものの、ただ振っていたビニール袋が裂けるなんてことある?「信じられへん……」。そして僕は今日も途方にくれたのであった。

読了:銀河の片隅で科学夜話 -物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異[全卓樹]

流れ星はどこから来る?宇宙の中心にすまうブラックホール、真空の発見、じゃんけん必勝法と民主主義の数理、世論を決めるのは17%の少数者?忘れられた夢を見る技術、反乱を起こす奴隷アリ、銀河を渡る蝶、理論物理学者、とっておきの22話。

〔天空編〕
第1夜 海辺の永遠
第2夜 流星群の夜に
第3夜 世界の中心にすまう闇
第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル
〔原子編〕
第5夜 真空の探求
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙
〔数理社会編〕
第9夜  確率と錯誤
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
第11夜 付和雷同の社会学
第12夜 三人よれば文殊の知恵
第13夜 多数決の秘められた力
〔倫理編〕
第14夜 思い出せない夢の倫理学
第15夜 言葉と世界の見え方
第16夜 トロッコ問題の射程
第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族
〔生命編〕
第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
第21夜 銀河を渡る蝶
第22夜 渡り鳥を率いて

はっきり言ってしまうとこれは科学啓蒙書の類では全くない。科学者による純然たるエッセイ本。各話は著者の文学的センス(時にあまりにも詩的でロマンチックで夢見がち)から話が出発して締めくくられる。日ごろの思いや考えを述べつつ、それに科学的話題をちょくちょくからめて進行する。なので扱われている科学の話題はそんな複雑な話ではないし、まぁ今までにどこかで聞いて知っている話ばかり。だからなんなんだ?って回もある。でも、科学者っていうのはこういうたわいもないことを日常考えていても、それを科学的知見と結びつけてはこんなことを徒然に考えているんだよ、ということを知る点では面白いかも。科学者って日ごろ何考えてんの?っていう人が読むと面白いかと。科学者だって詩人なのである。

銀河の片隅で科学夜話 -物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異[全卓樹]
銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異(銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異)[全卓樹]【電子書籍】