読了:ルネサンスの女たち(新潮文庫)[塩野 七生]

ルネサンスの女たち

ルネサンスの女たち

  • 作者:塩野 七生
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2012年08月

若々しく大胆な魂と冷徹な現実主義に支えられた時、政治もまた芸術的に美しい。ルネサンスとはそういう時代であった。女たちはその時、政争と戦乱の世を生き延びることが求められた。夫を敵国の人質にとられれば解放を求めて交渉し、生家の男たちの権力闘争に巻き込まれ、また時には篭城戦の指揮もとるー。時代を代表する四人の女の人生を鮮やかに描き出した、塩野文学の出発点。

塩野のデビュー作をようやく。ルネサンスイタリアの4人の貴族女性の人生。ルネサンス芸術の庇護者でもあったイザベッラ・デステ、父と兄の陰に隠れがちなルクレツィア・ボルジア、女傑カテリーナ・スフォルツァ、そして生国ヴェネツィアにいいように利用されたキプロス女王カテリーナ・コルネール。塩野自身は全く共感できない女性もいると言いながらも、どの女性の人生も魅力的に描かれている。

ルネサンスの女たち(新潮文庫)[塩野 七生]

指が足りない

最近ピアノの練習を再開したのだけれども、長い長いブランクがあったため、なかなかままならない。音の粒がそろわないとか鍵盤の距離感がつかめなくなっているとかいろいろ問題山積み。昔できたことが今できなくなっていることの、なんと歯がゆいこと。

指使いの感覚もそうとう鈍っていて、昔弾いたはずの曲でも指の動かし方が思い出せない。鍵盤を押さえる指がいつのまにか足らなくなってしまい弾けなくなってしまうことが頻発する。

基本に戻って、何にも考えなくても弾けるはずと踏んだハ長調スケール(白鍵のみの音階)をやってみた。4オクターブのトップノートに至るときに指が足りなっくなってしまったとき(右手の場合トップノート「ド」の一つ手前の「シ」で小指になってしまったとき)の絶望感ったらありゃしないよ。「俺もうダメかも……」

痴態を評価される

先日健康診断を受けてきましてね。中でも一番アクティブさが要求される検査が胃部X線検査。あの発泡剤とバリウム飲んで台の上で検査技師の指示に従ってグルグル転がるやつです。

で、技師の言うままに台上で転がってきたんですが、その技師のアナウンスが乗せ上手というかおだて上手というか。「はい、そんな感じです」とかなら分かるけれども、「素晴らしいです」と言われたのだがそれは過剰ではなかろうか。こちらは何かを披露したわけではないのである。言われるがままに台の上でトドのように転がっていただけなのである。

いや、別に悪い気はしなかったけれども、それを「素晴らしいです」と評されたのは多少こっぱずかしかったり……(もっとも検査技師は台の上でもだえるおっさんではなく、バリウムの影映像を見ながら言っているのだと思うが)。

キッチンが狭いからか俺がどんくさいからか

新居に引越して半年、やたらと皿(とか丼とか)を割っている。新居のキッチンが狭いからうまく動けなかったり、洗い終わった器を不安定な置き方をしてしまったりとかで、とにかくバンバカ割っているのだよ。そのたびに、またやっちまったと悲しい思いを繰り返している。気に入りの器ほどよく使うからどれだけ買い足しても割る割る。そして、使い勝手がいまいち、あるいはあまり好きではないので使っていない器ばかりが残っていく……。もう陶器の器はあきらめろということか。プラスチックにしろということか。ようこそ給食の世界へってか。