20世紀に発展した科学分野の一つが量子力学。その入門書。量子力学とは何かを数字や式を使わずに概要を紹介する良書。著者は1978年没で本書は1967年刊行なのでもう50年前の本だ。実際本書では素粒子という概念の登場あたりで終わっており、量子力学の新しい知見は当時より格段に広がっている。量子力学が20世紀に広がったとはいえ、それまでにも知られていた現象を説明できるようになり、さらに新しい見方ができるようになったということを踏まえて、量子力学を通して科学の意義を問う姿勢は非常に共感できる。
■ 量子力学の世界 はじめて学ぶ人のために【電子書籍】[ 片山泰久 ]
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