1200年にわたるローマ史の軽めダイジェスト。「教養としての」とついていることから推察されるように、「ローマはなぜ帝国を築けたのか」「ローマはなぜ衰退したのか」の2点について、ローマ史のエピソードを通じて考察し、現代のわれわれはそれをどう生かしていくかというスタイルで記述されている。よって解釈が常に「現代のわれわれから考えるに」というフィルターがかかっているのだ。ゆえにいかんせん説教臭い。「ローマ史」の読み物としての面白さは塩野七生の「ローマ人の物語」の方が圧倒的に上。もっともそれは塩野七生はあくまでも作家として記述しているわけだし、臨場感があって面白いのは当たり前なんだけど。でもまぁ、教養として知っておくとよい最低限のローマ史の知識はこの本で得られるし、ローマ史の流れをざっと復習するにはお手軽でいいんじゃないかな。
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