読了:人間使い捨て国家(角川新書)[明石 順平]

働き方改革が叫ばれる一方で、今なお多くの労働者が低賃金、長時間労働を強いられ、命が危険にさらされている。ブラック企業被害対策弁護団の事務局長を務める著者が、低賃金、長時間労働の原因である法律とその運用の欠陥を、様々なデータや裁判例とともに明らかにする衝撃の書。

第1章 悲惨な現状ー世界はこんなに働いていない
第2章 穴だらけの法律
第3章 固定残業代ーただ、名前を変えているだけのインチキ
第4章 コンビニー現代の小作農
第5章 外国人労働者ー現代の奴隷労働
第6章 公務員ー公営ブラック企業
第7章 自民党と財界
第8章 脱・人間使い捨て国家

日本の労働環境は企業による労働者の使い捨て状態であり、政府も有効な対策をとっていないと著者は主張する。個別問題点を議論し(第1章~第6章)、その原因と考えられる自民党と財界の歴史的関係を叙述し(第7章)、そして著者の対策案を提示する(第8章)。現場の実例、データや裁判例など具体的な話が多く、提言もその意図がはっきりしていてわかりやすい。

人間使い捨て国家(角川新書)[明石 順平]
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