読了:わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる[Dain]

かつてない本の味わい方を名著の数々とともに伝える。日本最高峰の書評ブロガー初の著書。

第1章 本を探すな、人を探せ(運命の一冊を読んだ人を探す/アウトプットすると人が見つかる)/第2章 運命の一冊は、図書館にある(本屋は出会い系、図書館は見合い系/図書館を使い倒す/本は「買う」ものか)/第3章 スゴ本を読むために(『本を読む本』で『本を読む本』を読む/遅い読書/速い読書/本を読まずに文学する「遠読」)/第4章 書き方から学ぶ(文章読本・虎の巻/人を説得するために、いかに書けばいいかー『レトリックのすすめ』/事実と意見は分けて書けー『理科系の作文技術』/おもしろい作品の「おもしろさ」はどこから来るのか/名文で言葉の「型」を練習する)/第5章 よい本は、人生をよくする(人生を破壊する「怒り」から自由になる/子どもに「死」と「セックス」を教える/子育てはマニュアルに頼れ/生きるとは食べること/「正しい死に方」を考える/二〇年前の自分に読ませたい珠玉の一二冊)

自分と同じ読書傾向の人を見つけて、その人が薦める本で自分がまだ未読のものがあれば、それは私にとっての「スゴ本(=スゴイ本)」である可能性がある。まぁそんな導入だけれども、中盤の読書論や読書本(読書を主題とした本)紹介がおもしろい。「ナボコフのドン・キホーテ講義」の正体や「読んでいない本について堂々と語る方法」に仕掛けられた作者の罠とか最高。そして後半はテーマを設定した関連本の紹介。へぇ、そんな本があるんだと著者の読書量に圧倒される。「だがブルーナはしない、ガチだから。」を連呼する箇所はガチでクール(ブルーナとは絵本「ミッフィー」シリーズのディック・ブルーナ)。「読書」体験はもっと自由でいい、でもこういう点を踏まえてみると「読書」はもっと奥深くておもしろい体験になるんじゃない?という提案の数々が紹介されていて興味深かった。

わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる[Dain]
わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる[Dain]【電子書籍】

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