吉川英治文学新人賞、直木賞と輝かしい経歴を持つ著者。瀬戸内海の島に住む4人の高校生が、大人の世界の現実と向き合いながら成長する青春劇とでもいうか。すごく取材や下調べしたんだろうなということは分かる。とにかく話を面白くするはずの仕掛けがたくさん盛り込まれているのだ。なのに盛り込まれすぎているというか、結局テーマは何?伝えたいことは何?訴えてくるものがすごく希薄なのだ。これだけの仕掛けを用意しておきながら、それぞれの出来事もなんらかの伏線になっていたわけでもなく。いろいろしがらみがある現実を描きたかっただけ?後半からラストにかけてテンポだけはいいものの鼻白むばかりの展開には辟易。このご都合主義はなんだ?素人の作品か?なのにこの作品の評価はどうもそれほど悪くないようだ。俺の読解力のなさの問題なのか?
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