米原万里再読その3

■他諺の空似~ことわざ人類学
世界各国に似た意味をあらわすことわざがあるという羅列的な本書だけれども、そこから人間の生きざまを見出す試み。でもとりわけ面白いのは、そのことわざを紹介するための前座の小話や、政治批判。前者は米原が得意とする上質の下ネタ話、後者は2000年代前半の小泉政権によるアメリカ追従で国民のことをまったく考えていないでたらめぶりを痛快に突くもの。政治の話なのに時事問題につきものの古臭さというものがないということは、今現在もちっとも変ってないということか。なにせ、当時の幹事長が安倍氏なのだからさもありなん。

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