カペー朝、ヴァロワ朝と続いてきたカペーの一族の物語も、佳境のブルボン朝に。これまでの感想文は以下。
時代も近代に入ってきて肖像画や宮殿など今に残る資料が多くなってきて具体的にイメージしやすい。そりゃブルボン朝が一番面白いのは当然だよ。さてユグノー戦争とヴァロワの直系が途絶えるところが前作の最後だったわけだけれども、今度は同時期をブルボンの視点から再度描き直すところから始まる。あいかわらずフランス王家の人物名は、ルイ、アンリ、シャルルだらけ。
ナバラ王アンリはフランス王アンリに手紙の返事を書いた。
ここで「フランス王アンリ」がヴァロワ朝の最後の王アンリ三世。「ナバラ王アンリ」が後に即位するブルボン朝最初のフランス王アンリ四世。
とりわけブルボン朝はルイてんこ盛り(別名ルイ王朝)。即位すればルイX世と呼ばれるけれども、即位前はみんな王太子ルイ。
その一六四三年五月十四日は、王太子ルイが「フランス王にしてナバラ王」に即位した日でもある。フランス王としてはルイ十四世、ナバラ王としては「ルイス三世」を称したが、(以下略)
国際的関係は突出した強国が出現しないように各国が牽制しあう時代。フランスはヴェルサイユを中心とした文化大国へと変わっていく。ポンパドゥール夫人が登場した時には「待ってました!」と思ったよ。
たとえ王政の否定に通じるものであっても、それが優れた文化として光を放つなら、フランス王家は受け入れなければならなかった。
やがて大革命がはじまり、ルイ16世は断頭台に送られ、フランス王家は国を追われる。ナポレオンの失脚後に王政復古でルイ16世の弟二人が、ルイ18世、シャルル10世と即位し、その後傍系のルイ・フィリップが即位したもののこれらは短命に終わる。フランスが王国になることはその後二度となかった。(ちなみに現スペイン王家はブルボン朝の傍系)
今回もミス発見。1753年を1653年と100年間違っちゃっている箇所がある。仮にも歴史を扱っているんだから、世に出る前にちゃんとチェックされなかったのだろうか?
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