ゆとり世代に対して「円周率は3って習ったんでしょ?」といって揶揄することがまま聞かれたが、実際のところゆとり教育時代の教科書には「円周率はおよそ3」と記述してあったはず。まぁ中学生以降は数学においてはこの無理数はわざわざ計算する必要はなく π のままで放っておいていいわけですが。実際にどのくらいの値になるかって時に、まぁ3倍よりちょっと大きいくらい程度でよいかと。
ところで「円周率って何(=どういう意味を持つ値)?」って聞かれたら、ゆとりをバカにしている人でも(むしろそういう人に限って?)ちゃんと答えられる人って少ないんじゃない?
円周率の定義は「円の直径に対する円周の長さの比率」。つまり直径(diamiter)を円周率(π)という定数倍すると円周の長さが求められる。この関係は古代から知られていてこの倍率のことを円周率と呼んでいたわけです。大事なことは、その値がいくつなのかということよりも(いやそれはそれで魅力ある値なんだけれども)、その値の意味を知っているか?ということなんですよ。
いわゆる比例の式というのは
y = kx (k は比例定数)
という関係式なのだけれども、y が円周の長さ、x が直径とすると、k の比例定数が π で置き換えられて
l(円周長:length) = πd(直径:diamiter)
もちろん、直径(diameter)は半径(radius)の2倍なので、d=2r です。そこで上記式を r を使って書き替えると。
l(円周長) = 2πr(半径:radius)
これが円周長を求める公式。
以下は余禄:
この円周長の公式を r で積分すると円の面積の公式。
S(面積:surface area, sum…) = πr2
小中学生は微分積分という道具は習っていないので、円を扇形の断片に切り分けてそれらを長方形に近くなるように互い違いに並び変えて面積に近い値を長方形の面積として求める方法で説明されることが多いかな。この扇形の中心角をどんどん小さくして細い扇形にして数を増やしていけばいくほど並び替えた図形はより長方形に近くなっていき、長方形の面積の公式
S = (縦の長さ: r ) x (横の長さ πr )
になる(言うまでもなくこれは証明ではなくあくまでも説明であり、これを実際に計算でできるのが積分)。
当然、この円の面積の公式を r で微分すれば円周長の公式に戻ります。
ちなみに球の表面積は円の面積の4倍(説明は後掲の動画を参照ください)。
S = 4πr2
これを積分すると球の体積の公式になります。
V(体積:Volume) = 4/3πr3
まぁ、微分とは何か?積分とは何か?それと長さ、面積、体積の関係がなぜ微分積分で求められるのかという議論を今回はすっ飛ばしてますが。
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