読了:ルネサンスの女たち(新潮文庫)[塩野 七生]

ルネサンスの女たち

ルネサンスの女たち

  • 作者:塩野 七生
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2012年08月

若々しく大胆な魂と冷徹な現実主義に支えられた時、政治もまた芸術的に美しい。ルネサンスとはそういう時代であった。女たちはその時、政争と戦乱の世を生き延びることが求められた。夫を敵国の人質にとられれば解放を求めて交渉し、生家の男たちの権力闘争に巻き込まれ、また時には篭城戦の指揮もとるー。時代を代表する四人の女の人生を鮮やかに描き出した、塩野文学の出発点。

塩野のデビュー作をようやく。ルネサンスイタリアの4人の貴族女性の人生。ルネサンス芸術の庇護者でもあったイザベッラ・デステ、父と兄の陰に隠れがちなルクレツィア・ボルジア、女傑カテリーナ・スフォルツァ、そして生国ヴェネツィアにいいように利用されたキプロス女王カテリーナ・コルネール。塩野自身は全く共感できない女性もいると言いながらも、どの女性の人生も魅力的に描かれている。

ルネサンスの女たち(新潮文庫)[塩野 七生]

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