イタリア・ルネサンス期の4人のローマ法王、ピオ2世、アレッサンドロ6世、ジュリオ2世、レオーネ10世を取り上げた作品。中世が明けたルネサンス期、それでもキリスト教の頂点に立つローマ法王の権威はどれほどのものだったのか、決して聖なるものだけではない人間臭さをもつ人物像が描かれる。おもしろいのは、連続する法王なのに考え方や態度がそれぞれにまったく違うということ。塩野はこれら4人の法王をそれぞれ別の記述体で描く。とりわけよかったのは、アレッサンドロ6世とフィレンツェの修道士サヴォナローラの対立を、時系列に並べた文献のみで描いた章(ただし文献のうちの1つは塩野の創作)。
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