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- 作者:宝樹/大森 望
- 出版社:早川書房
- 発売日: 2022年07月06日頃
「三体」シリーズのスピンオフではあるんだろうけれども、もっと分かりやすく言うなら「三体」ファンが書いた二次創作ものだね。第3部「死神永生」の取りこぼしを拾っていき発展させたストーリー。
オリジナル「三体」シリーズの魅力は多少の伏線回収漏れなど気にもしていないかのような、おおざっぱながらも力強く進む大陸的文学要素にあったとラフは思っているわけよ(その点がこれまでのSF作品と一線を画す点でもある)。それに対して本作は、「まぁ細かいことは気にするな」とオリジナルでは捨て置かれたようなところまでを几帳面に拾っていく、繊細でロマンティックな作風(恋愛要素入り)。このあたりがオリジナルの「三体」らしさを期待して読み始めると裏切られる点かも。
これはこれで、オリジナル「三体」への愛も感じられるし、よく考えられたエンターテイメントとして、とてもおもしろいよ(「あれはそう解決したのか」とか感心する点も多かった)。でも「三体」とは別物だなというのがラフの感想(そりゃそうだ)。
■ 三体X 観想之宙【かんそうのそら】[宝樹/大森 望]
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