世間的に一般人が「絶対音感」って言葉を使うときに以下の2つのどちらの意味で使われているのか判定しなければならない。
・音程のある楽器で鳴っている楽音が何の音か分かる(聞き取り聴音ができる)
・自然の音にさえ何の楽音かがわかる
そもそも、音楽やっている人は「絶対音感」という言葉を使うことはマレな気がする。とりあえず自分は前者は何とかなるが、後者の意味では川のせせらぎとか、茶碗が割れる音とかを楽譜に書き出すことはできないなぁ。それを模した表現としては書いてみることはできるけれどもさ。だいたい、すべての自然現象も含めたあらゆる音が体系としての一つでしかない西洋音楽の音程にすべて還元されるのってきわめて狭い音楽観しか有していないようで不自然っていう気がするんだけれども、どうかな?
「絶対音感」のあるプロのバイオリン奏者がいました。所属していたオケのピッチがA=440Hzだったんだけれども、ある時別のオケに移籍してそしたらそこのピッチはA=440Hzじゃなかったと。それが気持ち悪くて楽器を弾くことができなくなり音楽をあきらめざるをえなくなった。なんて話を過去にどこかで読んだことがあるんだけれども、これって多分に今でいうところの都市伝説だよなぁ。
ヒトの歌声っていうのは、実は一音に聞こえるものだとしても、同時にいろんなピッチの音が鳴っているそうだ。それなのに、ヒトの脳はその中から特定の音程のみを取り出して認識しているらしい。その仕組みはまだ不明だそうだが、興味深い現象ではある。脳の働きって面白いよなって思う。