葦は「悪し」に通じるので「ヨシ」と言い換える

パスカルによる「人間は考える葦である」は有名なフレーズだけれども、ところで葦って知ってる?イネ科の植物で淡水の水辺なんかに群生している。英語だとreed。木管楽器のリードはこれ。厳密には実際のものは葦そのものとは違うけれども、木管リード楽器(シングルリードのクラリネットやサックス、ダブルリードのオーボエやファゴット)において息を入れて振動させる部分のことがリード。

wikipediaの「ブレーズ・パスカル」の項「考える葦」

音楽で有名なのはチャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」の「葦笛の踊り」かな。ところが主要な主題を吹いているのはリード楽器ではない木管楽器のフルート3本。

「葦」の読み方は「アシ」なんだけれども、「アシ」は「悪し」(読みは「あし」)につながるということで「ヨシ」(もちろん「良し」)と言い換えられた言葉の方が一般的か。

wikipediaの「ヨシ」の項
ヨシとは? – 公益財団法人淡海環境保全財団

こういう言い換えは、そういえばイタリアの地名にもあったなぁ。「ベネヴェント」を共和制ローマがこの都市を勝ち取った際に、もともとの地名「マルヴェント」は「悪い風」という意味なので「ベネヴェント」(良い風)に変更したとか。

wikipediaの「ベネヴェント」の項

参考:受験古文では良い悪いの程度は必ず覚える。良いほうから並べると、「よし」>「よろし」>「わろし」>「あし」

アレコレつまみぐい国語-古文単語を覚えよう④- | 大学受験予備校apsアカデミー
評価語の研究―「あし」の衰退を中心に―大学院国語科(ちょっと難しいけれどもおもしろい)

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