
- 作者:アマル・エル=モフタール/マックス・グラッドストーン
- 出版社:早川書房
- 発売日: 2021年06月16日頃
時空の覇権を争う二大勢力“エージェンシー”と“ガーデン”の工作員は、あらゆる時代と場所に介入し、自陣に有利な未来を作り出すべく永い暗闘を続けていた。ある平行世界で二つの巨大帝国を壊滅させるミッションを成功させた“エージェンシー”の工作員レッドは、作戦遂行中ずっと、本来ならそこにいるはずのない敵の存在を感じていた。そして、激闘を終えた静寂の中で、“ガーデン”の工作員ブルーからの手紙を発見するー思いがけず文通を始めた彼女たちは、やがてお互いを好敵手と認めあうようになるが…ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞を受賞した、超絶技巧の時空横断SF中篇。
あまたの並行世界をめぐる「エージェンシー」陣営と「ガーデン」陣営の時空戦争が舞台となるファンタジーSF小説。「エージェンシー」の工作員レッドは、「ガーデン」の工作員ブルーからの手紙を発見する。自陣に知られることないように注意を払いながら、様々な手を使って文通を始めることになる二人の工作員。やがてお互いの存在が双方にとって欠かせないものになっていくのだが、二人の関係はそれぞれの司令官に気付かれてしまい……。
この手紙のやり取りが機知に富んだものでおもしろい。やがてそのやりとりは互いへの想いへと変わっていく。並行世界での戦いの中で描かれるこれらの文通シーン(というか文面)が本当に魅力的。この作品最大のおもしろさはここにあり。上官に察知されるのは中ほどなんだけれども、ここからラストに向けて展開が怒涛の如く早くなっていく。しかし一気に畳み込むものの「そういう結末のSFは他にも知ってるよ」という感じのラストで意外性はない。2時間ほどのSFアニメ映画とかでありそうな感じ(この作品そのものがそんな感じでもあるが)。それなりに感動はさせるけれども、ちょっとありふれた結末には拍子抜け。
■ こうしてあなたたちは時間戦争に負ける(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)[アマル・エル=モフタール/マックス・グラッドストーン]
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