ある人が書いたもっともらしく世を批判する本をチラチラと眺めたのだが「放射性廃棄物などの有害物質ががん細胞になる」なんて表記を見ると、「あぁこの著者の本は読む価値もないな」と思わざるを得ない。なんなんだこの科学に対する低見識で「科学」を装って世を批判する態度は。放射性廃棄物だろうが有害物質だろうがそんなものががん細胞になるわけないだろうが。だれも朱を入れなかったのか?書くのなら「有害物質が細胞のがん化を誘発する」だろう。なんでこんな残念なものが書籍として一般に流布しているのか。
学生時代に「放射線生物学」という必修の講義があって、その初回で教えられたのは、放射能汚染によってゴジラとか、翼の生えたあるいは目が3つあるモンスターのようなヒトなんてものは生まれないということだった。それはなぜなのか?ということもメカニズムから教育される。
たとえば「遺伝子組み換え」でも。「遺伝子組み換え」がいいか悪いかは別問題で、怖いと言う人は「遺伝子組み換え」と「品種改良」の違いをきちんと説明できますか?ってことだよね。(もちろん遺伝子組み換え食品を避けるという選択をするかどうかは個人の自由)
「知らない、だから怖い」という感情的なものは科学的な態度ではない。理性的な態度でもない。正しく怖がることが重要。
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