流れに棹さす恋の鞘当

「流れに棹さす」って表現は「流れに乗って」という意味だから本来はプラスの言葉。でも最近のある調査によると「流れに逆らって」というマイナスの意味で使う人が半数を超えているんだとか。言葉は生き物だから変わっていくことは避けられないんだろうけれども、過渡期においては「この人は今どっちの意味で使ったんだろうか?」ということを文脈から判断する必要がある。問題になるのは、文脈からはどちらとも判断つかないときだよね。言いたいことはプラスなのかマイナスなのか。

文化庁の「流れに掉さす」の意味

「恋の鞘当」って「恋敵同士が争うこと」なんだね。もともとは遊里で一人の遊女をめぐって二人の武士が鞘当てをする歌舞伎の題材からだとか。「惹かれあうもの同士がお互いの腹を探り合うこと」だとか根拠もなく思い込んでいたよ。どこでそんな風に思い込むようになったのかな。

知らない言葉を推測して読むってことは、いちいち調べていたら話の流れについていけないから、出来るに越したことはないけれども、いつのまにか自分で推測した間違った意味でその表現を覚えてしまうこともあるということか。たまには辞書を引いてみるのも大事だね。

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