「逆に」っていう言葉の使い方については何度かここでも取り上げたんだけれども、この言葉が使われた場合、前後で論が「逆」になっていない場合がままあると指摘してきた。
「あなたが思っているのとは違って、意外なことに」という文脈として使いたいのだろうなという例をよく見かける。ここで受け手は「いや思ってないよ」という応えは許されていない。あくまでも「逆に」と言いたい話者の方が一方的に偉いのである。「あなたが思っているのとは違って」というところに「私は気づいているしわかっているんだけれども、一般大衆であるあなた(たち)は誤解しているに違いない」という若干押しつけがましい上から目線を感じる(ラフの勝手な被害妄想か?)。マウント用語の一種になっているのかも?
あとは話題を変えたいときに、「ここまでの話とは変わるんだけれども」っていう意味で「逆に」を使う人も見かける。「それはさておき」っていう感じか。
しかしそんな指摘をするのは野暮なことなのかもしれない。「ヤバイ」と同じように、もはや「逆に」もそれ自体に意味はなく、昨今の日本語においては何にでも使える接続詞化しているのかもしれない。「しかし」も「ゆえに」も「だから」も「そして」も全部「逆に」でいけるのではないかと(乱暴な推測)。
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