いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは…25年前の祖父母の心中事件に隠された秘密とは。残された写真、歪んだ記憶、小さな嘘…。海辺の町を舞台とした切なくてさわやかな青春ミステリー。
光介は四国の太平洋側に面した田舎に暮らす高校1年生。夏休みに今まで存在さえ聞かされたことのない母の姉が8歳の娘を連れて東京から帰ってきた。母姉妹の父母(光介の母方の祖父母)は、光介が生まれる前に借金を苦にして心中したという。母はそのことに触れたがらないが、母の姉はこの地に暮らすのであるからとその事件の真相を解明しようとする。ただの心中ではなくどうやら無理心中であったようなのだ。心中であれば母姉妹は親(祖父母)に捨てられたことになるが、無理心中であればどちらかは姉妹を捨てたわけではないことになる。母の姉から話を聞き、光介自身も祖父母の今まで知られていなかった過去を調べていくと……。
太平洋に面した四国っていったら高知県だよね?高校生の主人公が東京にまで自分の祖父母の情報を訪ねていくとか、進路に悩む話とか若干設定に「海がきこえる」臭がした。前途はまだわからないけれども前向きで素直な主人公による、さわやか健全なストーリーなので安心して読める。
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