謎のクスリ

未使用の点眼薬を冷蔵庫に保存しているんだけれども、いくつかたまっていたので使用期限チェックをしてみた。その中に「点眼薬」と印刷されている袋なのに(「点眼後は、この袋に入れて保存してください。」とも書いてある)、なぜか中に入っているのは「うがい用(目に入れないこと)」とラベルされた容器だったものがあった。口内やのどの炎症を抑えるうがい液のようなのだが、なぜこれが「点眼薬」と書かれた袋に入っているのか?そもそもどこの薬局で処方されたものなのか?(いつも使っている薬局でもらう袋とは違っている)。自分で入れ替えたのか?謎が謎を呼び次回に続く。

そして僕は途方に暮れる

冷蔵庫にキャベツがあったのさ。コーン缶もあったのさ。じゃ、コールスローでも作ろうかと思ったりなんかしたわけだよ。

で、キャベツを「ぶんぶんチョッパー」(野菜などをみじん切りにする便利キッチン道具)で刻んでいたのよ。何回かに分けてみじん切りにしていて、これで最後かなと思った回で、ひもを引く際に勢い余ってぶんぶんチョッパーが丸ごと手元から吹っ飛んでいったのだよ。悲しいことに空中で蓋も分離して、当然中身のみじん切りキャベツもキッチン一面にぶちまかれたのだ。

その有様を目の当たりにして「信じられへん」と思いながら台所で僕が途方に暮れたことは言うまでもない。大惨事だよ……。

読了:先延ばしグセが治る!すぐに行動できる人の習慣術[後藤 英俊]【電子書籍】

「すぐやれない」あなた変えてみませんか?
「やるべきこと」や「やりたいこと」があっても、
なかなか行動に移せないというあなた。
そんな「すぐできない人」を卒業しましょう!
◆一つでも当てはまったら要注意!
・引っ込み思案でできない!
・心配し過ぎてできない!
・こだわり過ぎてできない!
・めんどうだからできない!
・流されやすくてできない!
解決方法は本書でチェック!

やらなければならないことをついつい先延ばしにしてしまう傾向にある人を対象としたTips集。内容はおそろしく浅い。

先延ばしにしてしまう性格タイプを5つにわけ、それぞれのタイプに対して対策とか考え方の変化を促すとかをそれぞれ10個くらい提案している。提案は目新しいものは一切なく、これまでも巷に流布している当たり障りのない内容。物わかりのよさそうなお利口さんの先生が「こうしてみよう!」って感じの書きっぷりで、今さらそれを丁寧に述べられても深みも気づきもない。

たまにパラパラめくって、そうだったよなと確認するための本(それはそれで意味があるとは思っている)。

いや別に期待はしていないけれども、ヒトという生き物はタスクをなぜ後回しにしてしまうのかの生物学的・心理学的メカニズムに迫って、もっともっとアヴァンギャルドな提案をしてくる、先鋭化した本だったらめちゃくちゃおもしろいだろうになぁ(だったらそういう本を選べ>俺)。

先延ばしグセが治る!すぐに行動できる人の習慣術[後藤 英俊]【電子書籍】

ご如才なきことながら、仕事納めさせていただきます

職場的には30日が年内最終出勤日なのだけれども、月曜日だけ出勤するのもあれなので有休を取得することにして、本日を年内最終出勤としました。本日仕事納めです。

午前中に部内の方から「この作業お願いしますね」メールをいただいたのであるが、そのメールの文言がものすごく固く、そのあまりにもの固さに失神しそうになった。

メールのタイトルを指して「頭書の件」とか、「~頂き度くようお願い致します。」「~できるように取り進め頂けると幸甚です。」とか。締めくくりは「ご如才無き事ながら、~もお願い致します。」

ちなみに「ご如才なきことながら」というのは、「既に十分ご承知とは思いますが、念のために申し上げますと」みたいな感じの意味(知る人ぞ知る官僚表現)。実用に供されているのを見たのは初めてだよ。

そんな大したことは頼まれていないたった数行のメールにここまで書かれると、もはや慇懃無礼の極みである。むしろ才能である。差出人のことを変な奴だとは思ったけれども、自分と同類・同じ匂いの人かもとか思ったことは内緒。

僕はやっぱり英語ができない – 「リコピン」とはトマトなどに含まれる赤い色素である

人間の脳はうまく聞き取れなかった表現があると、自身の知っている語彙や言い回しで補おうとする傾向があることは多くの人が経験しているのではなかろうか。これは日本語だけでなく不慣れな言語に対しても起こりうるわけで。ラフの場合は英語のリスニングがまったくできない。

さて、ミュージカル「オペラ座の怪人」の主要曲に「Think of me」というナンバーがある。この歌い出しがしばらく前まで「リコピ~ン」と聞こえて仕方がなかったのである。まぁ聞いてみてくれたまえ。

いや、もちろん曲のタイトルにもなっている「Think of me」と言っているわけであるが(歌い出しの言葉をそのままタイトルにする例は多いからね)、つい先ごろまでラフには「リコピ~ン」だったのである。最近ようやく「チンコーミー」くらいには聞こえるようになった。

wikipediaの「リコペン」の項

lycopeneを含む例文として心惹かれたもの

To provide an effective method for utilizing tomato juice produced as a byproduct in obtaining lycopene from the tomato. – 特許庁

Silent night, holy night

マライア・キャリーさん(マラが嫌いなキャリーさんという下ネタもございますが)といえば、この季節やっぱり「恋人たちのクリスマス」なんだと思います。今年、リリースから25年にして初の全米シングル・チャート1位になったとか。そうかぁ、みなさん毎年毎年もう聞き飽きたよって感じながらも、やっぱりこの能天気にハッピーで軽薄な曲(<褒めている)を愛しているのね。

さて、日本でこのシーズン飽きるほど耳にするのは山下達郎の「クリスマス・イブ」ですよね。

歌詞の中にある「必ず今夜なら 言えそうな気がした」ですが、どういうことを言えそうな気がしたのでしょうか。直後に続く「んォォォ、Silent night, ウォ~~イェン、holy night」と言えそうな気がしたのなら結構シュールな人です。

googleで「クリスマス・イブ」の歌詞を表示する

この曲の半分近くを占める「Silent night, holy night」ってのは、民謡における合いの手(「ハイハイ」とか「ホイ」とか「ヨッコラセー」の類)なんで、歌詞の意味をとらえるためだけならとりあえず全部外してOK。そうすると、びっくりするくらいこの曲の歌詞は短いことに気づきます。多くを語らないほのめかし美学ともいえる。

さて、スリムになったところで、何が言えそうだったのか読み返してみると、「叶えられそうもない」「心深く 秘めた」「君への想い」なんでしょうね。それを「必ず今夜なら 言えそうな気がした」のに、「きっと君は来ない」。「必ず」言える(気がした)のに、相手である「君」が来ない確信度は「きっと」なんだ。そういう「ひとりきりのクリスマス・イブ」。

Merry Christmas!皆様に沢山の幸せが訪れますように!

三井住友銀行アプリのインターフェースが改善されていてめっちゃ感動した件

過日、三井住友銀行の振替機能のUIに関しての不満を記した。

三井住友銀行アプリの振替機能ユーザインタフェースに不満

スマホの三井住友銀行アプリの振替機能のUIに関して不満があるのは次の2点だ。

  • 資金移動口座を指定した後の次の画面へのボタンが画面をスクロールしないと出てこない。
  • 移動金額を入力するとき、キーボードで金額入力欄が隠れてしまっている。

本日、振替機能を使ったら、2つ目の問題が解決していた。もっとも自分がここに書いたから解決したとはゆめゆめ思わないが、それでも自分が問題だと明確に認識して公にしたことが解決していることがうれしくてエントリーしてみた。

もっとも、過日のエントリーは三井住友銀行さんが考慮してくれるとうれしいなぁという感じで書いたのだが、今回改善されていたのは、AppleさんによるiOSのアップデートによるものだろうなぁと思っている(入力欄にフォーカスが当たった場合には、その入力欄がキーパッドで隠れないように適切にスクロールする一般的な機能改善が施されたのでは?)。まぁどちらが対応してくれたのかはわからないけれども(確認する方法はあるが、特定してどうだというほどのことでもないのでそこまではしない一介のユーザ)、まぁ解決していてうれしかったという報告まで。どちらであっても、対応ありがとうございます。

1番目の問題も対応していただけるとうれしいです。さすがにこちらはアプリのUI設計の問題だろうと思っているので三井住友銀行アプリ開発関係者にお願いするのが筋だろうとは思うものの、まぁここに書いているだけで(なかば自分用現状認識メモ)、しかるべき窓口などにちゃんと要望を出すわけではないのですが。

#三井住友銀行アプリ

読了:食べたくなる本[三浦哲哉]

小田原のサバ、ファッションフード、福島のスローフード、ジャンクフードの叙情、一汁一菜、蒸したカリフラワーのピュレ、アサリ二キロのスパゲッティ、マルフーガの揚げもの、どんぶりの味、怪食、快食、絶倫食、庄内のワラサ、エル・ブリと新スペイン料理、水のごとき酒…。美味い料理、美味い酒には目がない気鋭の映画批評家が、料理本や料理エッセイを批評的に読む。食の素材、味、調理法、さらには食文化のあり方をめぐる、驚きと発見に満ちた考察。

 料理本・食文化本(レシピ本を含む)の批評エッセイなんだけれども、これがべらぼうにおもしろかった。生きるためには食べなければならないがゆえに「生きるとは何か」というテーマに直結するのが食であり料理である。ゆえに料理本というものは著者の生きざまが反映されずにはいられないものなのだ。それをくみ取り愛でて楽しむのが本書。

 凡人には足元にも及ばないような変態的なこだわりを持つ料理人もいれば、非科学的な理論さえ根拠にしてしまう食の研究人もいる。しかしそこには彼らの食へのこだわり(時には愛ゆえの滑稽ささえ感じる)が垣間見える。そしてそういうところに人間が人間たる所以を見出し、愛情豊かな視点で三浦は批評していく。

 三浦哲哉氏とラフはほぼ同年代なので、食文化に関する思い出話などは共感できる部分も多かった。

 いろんな本が登場するが、もっともインパクトのあった料理本タイトルは「小林カツ代と栗原はるみ」。この二人の名前を並べてそのまんまタイトルにしてしまう発想がすばらしい。

食べたくなる本[三浦哲哉]
食べたくなる本(食べたくなる本)[三浦哲哉]【電子書籍】

読了:愛なき世界(単行本)[三浦しをん]

恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。

 タイトルは殺伐としているけれども、内容は優しい愛情にあふれた作品。東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻植物学関係の研究室の人々と、そこにふとしたきっかけで出入りするようになった、本郷通りの赤門前あたりをちょっと入ったところの洋食屋で働く青年との交流が描かれる。ま、もっとも主人公は藤丸青年というより、彼が好きになった博士課程大学院生の本村さん。彼女の研究生活を軸にしておよそ1年の出来事が描かれる。

 植物の研究って何してるの?という方は読んでみると面白いかも。本村さんは、アラビドプシス(シロイヌナズナ)を材料として、植物の葉が一定の大きさに制御されている仕組みを研究している。葉の大きさを制御している特定の遺伝子を4つ壊せば(<ちょっと科学的には不正確な表現だけれども)、制御が効かなくなって野生株よりも大きな葉が生じるのではないか?という仮定で研究を進めている。この4重変異株を作るのに彼女は苦労している。

wikipediaの「シロイヌナズナ」の項

 おそらく、科学や基礎研究になじみがない人にとっては、それの何が楽しいの?何の役に立つの?ってところなんだろうけれども、なぜそうなっているのかを知りたいという知的探求心(それはもう渇望と呼んでもよい)が基礎研究に携わる人の原動力なのだということが、読んでもらえばわかってもらえるかと。自然科学系の大学院生・研究者がどんな生活をしているのかを垣間見ることもできるので、そういう点でもおもしろいかと。

 登場人物がみな一風変わった変人の類なんだけれども、この小説ではとてもマイルドで優しい描かれ方をしている。基本的にみんないい人なのだ。実際の研究者はクセの強いもっと筋金入りの変人が多いと思う。概して植物を扱う研究者はのんびりとしたところはあるけれども、それでももっととんがった部分もあったよというのが、かつて生物学研究者の端くれとして研究室に所属していた自分の感想。まぁ新聞小説だからこのくらい優しい話でいいんだろうけど。

愛なき世界(単行本)[三浦しをん]
愛なき世界(愛なき世界)[三浦しをん]【電子書籍】