スタバで待ってる

クラシック音楽、特にキリスト教音楽で有名なモチーフとして「スターバト・マーテル」というものがある。日本語では「悲しみの聖母」と訳されることが多い。元ネタは、十字架にかかって亡くなったキリストを嘆き悲しむ母マリアを描いた中世の詩の冒頭。多くの作曲家が曲を作っているのだけれども、特にドヴォルザークの作品が代表的。その性格上非常に痛ましい音楽であるのだけれども、この「スターバト・マーテル」を日本のクラシック音楽界では「スタバで待ってる」ともじる。

wikipediaの「スターバト・マーテル」の項

マツケンサンバII待望論

オリンピックは閉幕しましたが、いろいろゴタゴタが起こる中、開会式・閉会式の演出でネット民の間で強い待望論が持たれたのが「マツケンサンバII」。

吹奏楽の界隈ではなんといってもとびきり楽しい曲想で客も含めて尋常じゃなく盛り上がるので、アンコールでよく取り上げられるある種定番の曲となっております。

こちらは、吹奏楽界隈でよく演奏されるサンバの曲をメドレーにしたものですが(ブラジル~風になりたい~トリステーザ(著作権の関係で演奏はカットされています)~マツケンサンバII)、最後はやっぱり「マツケンサンバII」で締めくくるのです。

でも、この曲の最大の魅力は演奏会での演奏やオリジナルのオーディオだけ聞いているだけではこれっぽちもその本質的面白さが伝わらないのですよ。早速公式のMVを見てみてください。

何の脈絡もなくキンキラキンの着物をまとった腰元と思しき女性たちや町人と思しき男性たちがサンバの音楽に合わせて陽気に踊り狂う中で、同じくキンキラキンの着物姿の上様(松平健)が登場し、これまた日本的要素が一切ない歌詞をノリノリで歌いまくる。「なんで?」の嵐なのにそれをものともせず徹底した陽気なバカバカしさを演出していることがこのエンターテイメント最大の魅力なのです。なぜ日本人が、江戸時代のコスチューム(しかもド派手なキンキラキン)でサンバを踊り歌うのか。その突き抜けたナンセンスさこそがおもしろいのですよ。ショーレビュー的な演出なのだからこれは舞台(あるいは映像)で見るのが一番。音楽だけではこの曲の良さは半減です。おそらくそういうところがあるから、オリンピックの開会式・閉会式への待望が強かったんではないですかね。

ちなみに、踊り狂うといいましたが、「サンバ」はカーニバルで練り歩くための音楽なので、基本は行進曲です。つまりラテンの行進曲。主に激しく腰を振る振付をしながらも行進するための音楽です。だから単に浮足立った陽気なだけの音楽ではなく、実は地にしっかり足をつけて歩くことが前提の結構力強い音楽です。

演奏会のお手伝い出演依頼を立て続けに断ってしまった

実は、先週末に演奏会のエキストラ依頼の打診が2件来ていたんです。1つはオーケストラ、もう1つは吹奏楽。両方ともアマチュア団体の演奏会なんだけれども、トロンボーン奏者って不足してるのかい?しかもそれほどうまくもないラフにまで声がかかってしまうとは。

この秋、ラフは引越しだの資格試験受験(恒例の年中行事)だの忙しくて、いただいた練習予定表を見るとあまり参加できなさそう。特に吹奏楽団の依頼の方は演奏会本番が資格試験日と丸被りだった。というわけで、両方とも断ってしまったんですよね。オーケストラの方はラフは初体験になるし興味もすごくあった。声をかけていただいた知り合いの方から「ぜひに」と言われていたのだけれども、今回は余裕がないのでお断りさせてもらいました。

コロナ禍のご時世、演奏会開催というのも実際どうなるかわからないほぼ綱渡り状態の昨今。結構レギュラーでお手伝いに行っていた他の楽団の演奏会も昨年以来軒並み中止になっていて、そんな中演奏会出演機会をいただけるというのは貴重な話なのですが。今回は心苦しくも辞退させていただきましたが、機会がありましたら次回はぜひよろしくお願いいたします。

白眼剥きながら演奏した我の姿を見て

ここには載せてなかったんだけれども、さる4月の日曜日に(さり過ぎ?)S吹奏楽団の定期演奏会があったのさ。昨年は演奏会当日が最初の緊急事態宣言にかかってしまって急遽中止になったんだけれども、今回はちょうど緊急事態宣言の合間でなんとか開催された次第。それでもコロナ禍ということで練習に参加することもままならない団員もたくさんいたし、通常の演奏会とは違った非常時の対応が必要だということで準備はてんやわんや。それでもお客さんやスタッフの協力のもと大きな事故なく開催できたことは喜ばしいことでした。

さて、その定期演奏会のDVDがあがってきたので、観てみたよ。本編はまぁいいとして(いいのか?)、今回ラフはウェルカムコンサート(通常のプログラムが始まる前のお客様入場時にちょっとした余興的アンサンブルを行う)に出演させてもらったのです。とりあげた曲はトロンボーン4重奏曲なんだけれどもレギュラーで練習に参加できるトロンボーンメンバーの都合で1本はユーフォニアムという編成で挑戦しました。曲はフィリップ・スパーク作曲「Tokyo Triptych」(東京の3つの街、「新宿」「泉岳寺」「渋谷」からなる3楽章形式の曲)。これがもうべらぼうに難しくて、演奏会本編なんか比べ物にならないぞ。メンバー内でももっぱら「ウェルカムコンサートで私たちの本番は終わりだな、あとは全部(本編のこと)長いアンコール」。第3楽章「Shibuya」がいつもの練習よりも早いテンポで始まってしまったものだから激しく動揺したものの、走り出したものはどうにもならず、ラフは終わりの方で意識朦朧として白眼剥きながら演奏していたのですよ(何をどう演奏したかも覚えていない)。曲が途中で止まらなかったことは奇跡かも。いろいろ反省点はあったものの、意外と一部の人たちに好評だったようで、お客様の中に「私たちもやってみたい」とおっしゃってくださった方もいました。あぁ、しんどかったけれどもやってよかったなぁと今更ながらに思いましたとさ。

あなたの知らない世界

日本のクラシック音楽界隈では、「チャイコン」といえば、
チャイコフスキー国際コンクール
チャイコフスキー作曲のピアノ協奏曲(コンチェルト)
チャイコフスキー作曲のヴァイオリン協奏曲(コンチェルト)
と主要なものでこの3つの可能性があり、前後の文脈から今どの「チャイコン」の話をしているのかを読み取らなければならない。当然、「チャイコン」という略語は日本でしか通用しない。
wikipediaの「チャイコフスキー国際コンクール」の項
wikipediaの「ピアノ協奏曲第1番 (チャイコフスキー)」の項
wikipediaの「ヴァイオリン協奏曲 (チャイコフスキー)」の項

メンデルスゾーン作曲のヴァイオリン協奏曲は「メンコン」と略す<まぢか!!
wikipediaの「ヴァイオリン協奏曲 (メンデルスゾーン)」の項

ドヴォルザーク作曲のチェロ協奏曲なんて「ドボコン」だぞ。
wikipediaの「チェロ協奏曲 (ドヴォルザーク)」の項

ブラームス作曲のヴァイオリン協奏曲に至っては「ブラコン」だ。
wikipediaの「ヴァイオリン協奏曲 (ブラームス)」の項

チャイコフスキー作曲交響曲第5番は「チャイ5(読みは「チャイゴ」)」、ショスタコーヴィッチ作曲交響曲第5番は「ショスタ5(ゴ)」と通称される場合がある。もちろん日本でしか通じない。言うまでもないが「チャイファイブ」「ショスタファイブ」と言い換えても世界には通じないぞ(フィンガーとかジャクソンみたいだなぁ)。あ、第5番だから序数じゃなきゃダメだね。「チャイフィフス」に「ショスタフィフス」。もはや日本でも通じないぞ。
wikipediaの「交響曲第5番 (チャイコフスキー)」の項
wikipediaの「交響曲第5番 (ショスタコーヴィチ)」の項

チャイコフスキーはその界隈では「チャイコ」と略されるが、一部熱狂的な日本人ファンは「おチャイコ様」と呼びならわしたりする(もちろん「おカイコ様」にあやかっている)。もはやビョーキである。「そんなに好きやったら(チャイコフスキーと)結婚せぇ」と突っ込むのが関西でのお約束です(知らんけど)。
wikipediaの「カイコ」の項

「そんなバカな、どうせネタだろ?」と思われる方もいるかもしれませんが、クラシック音楽に片足突っ込んでいる日本人の多くは本当にこういう言葉を使ってコミュニケーションをとっているのだ!!!

クラシック音楽の曲名の俗称、略称
(ブリテン作曲の「青少年のための管弦楽入門」の略称がひどい……)

「逃げ恥」後遺症!?略称タイトルに各局が四苦八苦 – 梅ちゃんねる – 芸能コラム : 日刊スポーツ

ショパン作品冒頭の1発

ショパンのピアノ曲を4つ並べてみる。どれも有名曲だけれども、今回は敢えて冒頭の低音オクターブだけを楽しんでみよう(超イントロクイズ風に)。(作品番号順に並べました)

■バラード第1番Op.23

■ソナタ第2番第1楽章Op.35

■舟歌Op.60

■幻想即興曲Op.66